『EXODUS』22話を見た後、私はこう書いた。
シュリーナガルからダッカ、そしてハバロフスクで竜宮島と合流するまでの旅は一騎、総士、真矢、暉にとっては自らの親世代の追体験であったが、視聴者は2118年以降、日本が人類軍からどのような攻撃を受け、どんな視線で見られていたのかを目の当たりにすることになった。 蒼穹のファフナー EXODUS 第22話-2「旅路の果て」
島の外の世界を旅した一騎、総士、真矢の選択はドラマCD『THE FOLLOWER2』で描かれたが、フェストゥムだけでなく人類からも隠れることを選んだ親の世代とは異なり、子の世代は犠牲を払ってでも対話し続けることを選んだ。もっとも親と子の世代では置かれてる条件が異なり、親の世代はフェストゥムと対等に戦うことができなかったが、子の世代はフェストゥムと対等に戦うことのできる武器を持っている。一騎、総士、真矢が選択した時にはフェストゥムの一部と人類の一部とは和解しているので、たとえ外に開かれた場所に出て行ったとしても、もはや孤立無援ではない。
『EXODUS』で真矢は「自分を犠牲にしてでも、大切な人を守りたい」という気持ちを突き詰めていったが、それは結果として新国連事務総長、ヘスター・ギャロップの人生を追体験する形となった。ヘスターにとって真矢は過去の自分そのものであり、それ故、自らの後継者に仕立て上げようとした。
最終的に真矢はヘスターとは別の道を選んだが、そこにはどんな意味が込められているのだろうか。