蒼穹のファフナー EXODUS 第22話-2「旅路の果て」

 蒼穹のファフナー EXODUS 第22話-1『憎しみの記憶』 への追記です。

 

 『EXODUS』15話でシュリーナガルからの避難民はダッカへたどり着く直前にはダッカ基地部隊から攻撃され、人とフェストゥムの両方との戦いを避けるために、壁を越えて人の住まない地へ進むことを余儀なくされた。ここからが「エグゾダス」本番だったわけですが、シュリーナガルからの避難民と共に行動する島の子供たち-一騎、総士、真矢、暉はアルヴィスを建設して核を落とされて消滅した日本から脱出し、世界から隠れた親世代と同じ体験をすることになった。

 多大な犠牲を払ったものの、シュリーナガルからの避難民は島に到着。その後、新国連によって消された第三アルヴィスの存在が提示される。その第三アルヴィスのコアを新国連はアザゼル型、ベイグラントのコアに転用していた。新国連に利用されながら、時を待っていた第三アルヴィスのコアは目覚めた後、ミツヒロにこう言った。

グレゴリ型「僕がいた島の人たちもみんな殺した。
      でもそのたびに力が育った。
      そして、君という器が生まれた。
      僕たち…みんなを…憎しみの器が」
『EXODUS』22話

 シュリーナガルからダッカ、そしてハバロフスクで竜宮島と合流するまでの旅は一騎、総士、真矢、暉にとっては自らの親世代の追体験であったが、視聴者は2118年以降、日本が人類軍からどのような攻撃を受け、どんな視線で見られていたのかを目の当たりにすることになった。そして今、視聴者は新国連に対してベイグラントのコアと同じ感情、すなわち「憎しみ」を抱いているはずである。

 ナレインがシュリーナガルのミールを根付かせる新天地として選んだのは第三アルヴィスだった。新国連が葬った島を新国連内部の人間がよみがえらせるという形になるが、おそらくそれが2118年以降新国連が日本に対して行った行為に対しての贖罪、そしてアルヴィスとの和平の証になるのだろう。