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「宇宙戦艦ヤマト」と「蒼穹のファフナー」

 『宇宙戦艦ヤマト』の原型となった物語に『西遊記』があると聞いたことがあったので、船山徹『仏典はどう漢訳されたのか スートラが経典になるとき』(岩波書店)を読んだ時、「『EXODUS』の土台の一つに『宇宙戦艦ヤマト』があるのでは?」を思いました。先日『宇宙戦艦ヤマト 劇場版』を見ることができたので、以下に『ファフナー』と共通している内容を列記しました。

 
  宇宙戦艦ヤマト 目的地に行く時、敵と戦った。
  「EXODUS」 目的地から帰る時、敵と戦った。
 
  宇宙戦艦ヤマト 地球の外から使者がやってきた。
使者は亡くなっていた。
  「EXODUS」1話 竜宮島の外から使者がやってきた。
使者は亡くなっていない。
 
  宇宙戦艦ヤマト スターシャはサーシャが生きていると思ったが、サーシャは亡くなっていた。
  「EXODUS」25話 一騎は暉が生きていると思っていたが、暉はいなくなっていた。
 
  宇宙戦艦ヤマト 古代進は古代守が死んでいると思っていたが、古代守は生きていた。
  「THE BEYOND」4話 アルヴィスはこそうしが同化されたと思っていたが、こそうしは生きていた。
 
  宇宙戦艦ヤマト 沖田は地球を見た後、亡くなった。
  「EXODUS」15話 オルガは竜宮島を見た後、亡くなった。

 

 このリストの最初の項目は本を読んだ時に気がついたのですが、『宇宙戦艦ヤマト』本編を見たら他にも重なるシーンがあったので驚きました。

 『THE BEYOND』では『機動戦士ガンダム』(1979年)と『さよなら銀河鉄道999 アンドロメダ終着駅』(1981年)を思い出すシーンがあったので、『ファフナー』はアニメーションの原点回帰をして終わったという印象を持っています。

 

【蒼穹のファフナー THE BEYOND】一騎を理解する

 2019年10月26日、私はある出来事(灯籠流しではありません)を見た時に考えたことは、『THE BEYOND』12話で一騎が総士の灯籠を流した後の一騎が考えたことでした。

 

 2024年10月23日、『THE BEYOND』12話で一騎が真矢からこそうしに視線を変えた時の一騎の考えを理解しました。


 「一騎が総士の灯籠を流した後の一騎が考えたこと」は偶然、答えが見つかったのですが、「一騎が真矢からこそうしに視線を変えた時に一騎の考えたこと」の答えを見つけるのに、半年以上の時間がかかりました。

 『ファフナー』を理解することとは、『ファフナー』の主人公である一騎の考えを理解することでした。私はこの二つのシーンの一騎の考えを理解した時、『EXODUS』26話を見終わった時の目標である「『ファフナー』を理解する」を達成しました。なお、この目標を達成するには、9年という時間が必要でした。

 

【物語の読み方】「THE BEYOND」を理解する Part2

 『THE BEYOND』を理解する時にたどったルートをフローチャートの形にまとめました。

  2023年4月、【物語の読み方】「THE BEYOND」を理解する Part1 を書き、自分では『THE BEYOND』を理解し終わったと思っていた時にいた場所は上記の図のBでした。結局の所、『THE BEYOND』を理解し終わったのは、それから1年5ヶ月後の2024年9月、分岐点Cを経由して、X、Y、Zに到達した時でした。

 

【蒼穹のファフナー THE BEYOND】一騎の旅立ち Part1

 『EXODUS』放送終了後、Twitter(現 X)に能戸監督は以下のようなツイートをしました。

能戸 隆
一騎くんが島のミールに祝福された事をいつか話してくれるといいですね。
「遠見、あのさ、俺さ、実はさ・・・」
2016年11月11日

 『THE BEYOND』の中に一騎が真矢に島のミールに祝福されたことを話すシーンはなかったので、私は「真矢は一騎が島のミールに祝福されたことを知らない」と考えました。

 

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