2024年10月~12月にBS日テレで再放送された『蒼穹のファフナー THE BEYOND(TV Edition)』を見直した時の感想です。
私は今、ポスト『THE BEYOND』の世界にいる。
私は『ファフナー』を理解したことで、『ファフナー』という物語に時間が生まれ、『ファフナー』の中で描かれたフェストゥムとの戦いは過去の記録になった。
2024年12月20日に『HEAVEN AND EARTH』を見ている時、理由はわからないが、涙がこぼれてきた。
『ファフナー』は子どもが大人になる物語である。
『ファフナー』は戦時下の物語であるため、残念ながら大人になる前にいなくなった子どもがいる。しかし、私は『HEAVEN AND EARTH』を過去の思い出として見てしまったため、5年間、眠っていた里奈を除いて、ファフナー・パイロットだった子供たちは全員いないことに気がついてしまった。これが『HEAVEN AND EARTH』を見ていた時に涙がこぼれた理由である。
完全版で追加されている史彦と千鶴の会話は、『THE BEYOND』6話ラストの千鶴の行動を理解する伏線になっていました。
2024年12月20日(金)~2024年12月28日(金)の1週間限定で『HEAVEN AND EARTH』完全版を上映した時、2010年の公開時に販売されたパンフレットが復刻されました。違いは以下の通りです。
「遠見は? 医者になるのか?」
「私はどうなんだろう。お母さんもお姉ちゃんもお医者さんだから、私もそうなるって……どうんなんだろう。わからない」
冲方丁『蒼穹のファフナー ADOLESCENCE』
真矢は物語の開始時にこう話していたが、真矢は最終的に何になったのだろう。
『宇宙戦艦ヤマト』の原型となった物語に『西遊記』があると聞いたことがあったので、船山徹『仏典はどう漢訳されたのか スートラが経典になるとき』(岩波書店)を読んだ時、「『EXODUS』の土台の一つに『宇宙戦艦ヤマト』があるのでは?」を思いました。先日『宇宙戦艦ヤマト 劇場版』を見ることができたので、以下に『ファフナー』と共通している内容を列記しました。
宇宙戦艦ヤマト | : | 目的地に行く時、敵と戦った。 | |
「EXODUS」 | : | 目的地から帰る時、敵と戦った。 | |
宇宙戦艦ヤマト | : | 地球の外から使者がやってきた。 使者は亡くなっていた。 |
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「EXODUS」1話 | : | 竜宮島の外から使者がやってきた。 使者は亡くなっていない。 |
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宇宙戦艦ヤマト | : | スターシャはサーシャが生きていると思ったが、サーシャは亡くなっていた。 | |
「EXODUS」25話 | : | 一騎は暉が生きていると思っていたが、暉はいなくなっていた。 | |
宇宙戦艦ヤマト | : | 古代進は古代守が死んでいると思っていたが、古代守は生きていた。 | |
「THE BEYOND」4話 | : | アルヴィスはこそうしが同化されたと思っていたが、こそうしは生きていた。 | |
宇宙戦艦ヤマト | : | 沖田は地球を見た後、亡くなった。 | |
「EXODUS」15話 | : | オルガは竜宮島を見た後、亡くなった。 |
このリストの最初の項目は本を読んだ時に気がついたのですが、『宇宙戦艦ヤマト』本編を見たら他にも重なるシーンがあったので驚きました。
『THE BEYOND』では『機動戦士ガンダム』(1979年)と『さよなら銀河鉄道999 アンドロメダ終着駅』(1981年)を思い出すシーンがあったので、『ファフナー』はアニメーションの原点回帰をして終わったという印象を持っています。