一騎」タグアーカイブ

【物語の読み方】二つの物語

 たとえ同じ時間と空間に身を置いても、誰の視点で描くかによって、まったく別のものになる。
黒田龍之介『ロシア語だけの青春』(ちくま文庫)

 

 『EXODUS』は三人称(2151年の出来事)はと一人称(総士が語る物語)という二つの人称で描かれた物語でした。総士は自らの物語を人間の言語(言葉)で語ったので、視聴者は総士が『EXODUS』の中に残した総士の声を聞くことで、その内容を知ることができました。

 『THE BEYOND』も『EXODUS』と同じように三人称(2153年と2156年の出来事)と一人称(一騎が語る物語)という二つの人称で描かれた物語でした。一騎は自らの物語をフェストゥムの言語(行動)で語ったので、フェストゥムの言語(行動)を読めない視聴者はその内容を知ることはできません。しかし、視聴者がフェストゥムの言語(行動)を読めるようになった時、一騎が『THE BEYOND』の中に書き残した一人称の物語の内容を知ることができます。そして、その物語を最後まで読み終えた時、『蒼穹のファフナー』という物語が終わります。

 

 私にとって『蒼穹のファフナー』はまったく物語の終わりが見えない物語でした。しかし、物語の構造を見た瞬間、物語の終わりを知ることができました。

 

【蒼穹のファフナー THE BEYOND】親との別れ

 『ファフナー』では定番の展開を入れ替えたり、定番の展開を一部分を抜く(!)ということを行っているのですが、岩明均『ヒストリエ』(講談社)では定番の展開を丁寧に描いていました。『ファフナー』と『ヒストリエ』を対比させることによって、『ファフナー』で描こうとしたものを明らかにして見ようと思います。

 この記事には岩明均『ヒストリエ』12巻のネタバレ内容が含まれています。

 

続きを読む