フェストゥムによるワームスフィアの攻撃はノベライズで以下のように説明されている。
それは、一見して巨大な黒い球体に見えた。凄まじい勢いで回転しているらしく、周囲にある木々がその勢いに巻き込まれて盛大に葉を散らした。
かといって、その球体が、どこかから投げつけられたというのではない。
何もなかった場所に、突然、その球体が発生したのだ。
そしてその黒い回転の中に何もかも呑み込み――わずか数秒で消えていた。
球体が発生した場所にあったものが、全て。破壊されたのではなく――消えたのだ。そこにあった壁が、家が、道路が、一瞬で消滅し、球体にえぐれた跡を残すばかりだった。
『蒼穹のファフナー ADOLESCENCE』(ハヤカワ文庫)