【蒼穹のファフナー EXODUS】別れるための時間

 『EXODUS』10話、弓子は真矢に自分の状態について冷静に話していました。

弓子「美羽の父親の物だからお守りに持ってきたけど、
   今の私には使えないのね」

真矢「お姉ちゃん、ずっと寝てないでしょ。
   なんか食べた?
   食べる物持ってこようか」
弓子「いいの、今は必要ないから」
『EXODUS』10話

 弓子はフェストゥムに殺された後、アルタイルの力で再生された時から、自らの身に起きたことを知っていたのだとすれば、『EXODUS』7話で弓子が抱いていた美羽は、弓子が自らの遺体を抱いていたという意味も含まれていたのではないだろうか。

 

 フェストゥムに殺された弓子は美羽の望みで再生されました。しかし、弓子には心残りがありました。

弓子「今は美羽が理解できるもの。
   わかってあげられないことの方がずっとつらかったわ」
『EXODUS』19話

 弓子はいなくなるまえに心残りを解消し、美羽を新天地(海神島)に導いた後、いなくなりました。

弓子「やっとわかってあげられた。
   あなたの力の素晴らしさを。
   自分を信じなさい。
   どんな時も」

弓子「そばにいるわ、私もパパも。
   愛してる」
『EXODUS』26話

 アルタイルが弓子に与えたものは、真実を見る力と美羽と別れるために必要な時間でした。死が弓子から感情を奪うことで、弓子は自らが置かれている状況を冷静に受け入れ、美羽の真実の姿を見ることができるようになりました。そのため、心残りを解消した後、美羽との別れの時が来ましたが、静かにこの世を去っていったのです。