一騎「俺を、母さんみたいにするのか」
『EXODUS』24話
一騎のこの台詞の真意がわからなかったのですが、放送から3年経ってようやくその意味するところを掴むことができました。
一騎はアビエイターを倒した後、昏睡状態に陥ったが、一騎の容態はドラマCD『THE FOLLOWER2』で語られている。
ミョルニア「進めばお前は目覚めるだろう」
その場合、お前の精神と肉体は近いうちに無へ還ることになる」
一騎「この道を戻ったらどうなるんだ」
ミョルニア「眠りながら命を終えるだろう」
『EXODUS』24話
目が覚めれば肉体は結晶化して砕け散り、目覚めなければそのまま死が訪れる。そう、一騎は死の一歩手前の状態だった。しかし、一騎自身はもう死んだと自覚していたため、竜宮島のミールに自分はミョルニアのような死者の記憶を持つフェストゥムになるのかと尋ねたのだろう。そんな状態になってでも生きることを選んだ一騎が『THE BEYOND』で乗っているファフナーの名称が “Grim Reaper”(死神)になるのも当然か。
以下はニコニコ生放送一挙の感想への追記。
・総士の望み
『EXODUS』は人の望みをミールがかなえる物語だった。『EXODUS』5話、一騎は自分が一番望んでいることを七夕の短冊に書いた。
一騎はこの言葉を書いた短冊を丸めたが、竜宮島のミールはその望みを聞き漏らさなかった。そして、一騎が死者同然となった時、「生きたい」という望みをかなえた。その結果、一騎は死ねない死者になってしまった。それでは総士の望みとは何だったのだろうか。
『EXODUS』7話、ウォーカーの差し向けるフェストゥムとの戦いでパイロットたちが追い詰められた時、望みを発した者がいた。「武器がない、誰か武器を」とつぶやいた彗はアボート(引き寄せ)というSDPを、「もっと早く動け」と叫んだ零央は一瞬で移動できるロスト(消失)というSDPを獲得した。マークニヒトを起動中の総士も自らの望みを叫んだ。
総士「この怪物を支配する力を、僕に与えろ」
『EXODUS』7話
あたかも竜宮島のミールは総士の願いをかなえたかのように、この直後、総士はマークニヒトを起動させることに成功した。しかし、それは表裏一体の望みだった。
織姫「あなたが憎むマークニヒトはあなただけの器。
希望のための。
捨ててはだめ」
『EXODUS』22話
皮肉なことに総士が憎むマークニヒトは総士の器になってしまった。
・総士と一騎、織姫と芹
一期と『EXODUS』は同性のペア(一期は総士と一騎、『EXODUS』は織姫と芹)の別れと再会の約束をして物語は終わった。
一期 | EXODUS | |
イドゥンとの戦闘後、 | アルタイルが飛来する前、 | |
総士と一騎は一緒にいた | 織姫は竜宮島に、芹は海神島にいた | |
総士は同化されていなくなり、 | 芹は織姫のいる竜宮島に戻り | |
一騎は一人で竜宮島に帰還 | アルタイルを攻撃した | |
総士は同化されていなくなった後、 | 芹はアルタイルの攻撃を受けた後、 | |
一騎一人が竜宮島に帰還 | 竜宮島で眠りについた。 | |
その後、1年間眠っていた | その後、織姫は同化された | |
続編の『HEAVEN AND EARTH』で | 続編で | |
一騎と総士は再会した | 芹は生まれ変わったコアと再会? |
それぞれのペアが置かれていた状況とその後の行動は正反対だが、皆城家の者は同化されていなくなり、相手がいなくなった一騎と芹は眠りにつくという全く同じ結末を迎えた。
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