【蒼穹のファフナー】真壁一騎という人間-補足

 【蒼穹のファフナー】一騎の右手を書いていた時、いつの間にか【蒼穹のファフナー】真壁一騎という人間の続きを書いていたことに気がついた。つまり、結論には達していなかったということになる。

 総士はフェストゥムから祝福され、その結果、肉体を取り戻してこの世に帰ってきた。その時、総士は左目が見える自分、すなわち自身が同化能力を持つフェストゥムであることを受け入れた。それでは島の祝福を受け入れた時、一騎は何を手に入れたのだろうか。

 

・変性意識と同化現象

 一期から『HEAVEN AND EARTH』の時の一騎には変性意識がなかったが、『EXODUS』の一騎には変性意識が生まれた。公式サイトで一騎の変性意識は以下のように説明されている。

マークザインという強大な力と一体化することによる万能感と、その力を他者のために使いたいという救済意識が前面に出てくるようになる(※1)。

 一騎の本来の性格である、困った人に手を差し伸べるという部分が変性意識に現れ、具現化したと考えることができるのではないだろうか。

 

 一騎は子供の頃、一緒に遊んでいた総士を傷つけてしまった時、総士に救いの手を差し伸べることなく、その場から逃げ出してしまった。

一騎「なんで俺がやったって言ってくれなかった。
   俺が逃げたからか。
   あの時、お前を置いて逃げたからか。
   怖かったんだ、お前を傷つけた自分が怖かったんだよ。
   だから逃げたんだ」
一期15話

 おそらくそのことを一番許せなかったのは一騎自身だろう。事実、一騎は「総士はね、一騎に感謝してるんだよ」(※2)という乙姫の言葉を聞いた後も、総士を傷つけたことに対する嫌悪感と罪悪感を拭い去ることはできず(※3)、同化現象が進行した時に具現化した。一期では一騎の右目が赤くなり、体の右側が動かせなくなった。

 『EXODUS』では右腕が同化結晶に覆われた後、砕け散った。

 

 かつて総士は変性意識についてこう説明していた。

総士「彼女の変性意識テストの結果、教えてやろうか」
一騎「ああ」
総士「氷のようだ。
   機械のように冷静で、同情というものが全くない」
一騎「でも、それはただの変性意識で」
総士「そうだ。別に彼女の本性などではない」
ドラマCD『NOW HERE』

 総士はこう言ったものの、『EXODUS』で生まれた一騎の変性意識は困っている人には迷わず手を差し伸べるという性格から来ていることに疑問の余地はないだろう。一騎の同化現象は一期、『EXODUS』ともに体の右側に現れたが、これは一騎の心に残っていた総士を傷つけたことに対する嫌悪感と罪悪感が具現化したものである。一騎は総士を傷つけた後、他人から距離を置き、自分の本心をあまり話さなくなったが、一騎がフェストゥムに近づいた時、他人が一騎の本心を見ることができるということを意味しているのではないだろうか。総士はフェストゥムの側へ行ったことで、人の心とフェストゥムの体を持つ自分の有り様を受け入れた(=ファフナーに乗ることができる)が、一騎はフェストゥムになることで「総士を傷つける前の自分」を取り戻したのではないだろうか。そして、『BEYOND』で一騎は自分が左目を傷つけなかった総士と出会うことになる。

 

※1 『EXODUS』公式サイト内、SPECIAL/CHARACTOR/真壁一騎の変性意識の項より引用。

※2 一期15話。

※3 一期単巻8巻のリーフレット、DVD-BOXとBD-BOXのブックレットに掲載されているファフ辞苑8【一騎の右】を参照。

22話で発現した一騎の同化現象が右半身を襲ったのは、右に対する嫌悪感、罪悪感を今でも抱いていた為で、一騎はそれを罰として受け入れた。

 


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