蒼穹のファフナーEXODUS 2017 カレンダーの感想

 ※この記事にはカレンダーのネタバレ内容が含まれています。

 発送が大方終わってから公開しようと思っていたのですが(代金の振り込み締切日は11月11日)、まだ届いていない方が結構いるようです。そのため、何月に誰が描かれているといった具体的な内容を書くことは避け、カレンダーを見た人だけがわかるような書き方をしました。今回は気楽に書こうと思ったのですが、カレンダーを見ているうちにいろいろ気になる部分が出てきてしまい、結局、いつもと同じような感じになっていました。

 

 カレンダーに登場する全9組のうち、男女のペアが2組だけという事実に驚いた。作品を通してのテーマが価値観の異なるものの相互理解ということもあり、恋愛の要素はあくまで脇役。実際、作品の中でゴールインしたカップルは道生と弓子、剣司と咲良の2組のみ。剣司と咲良は一足先に大人になってしまったが故に、『EXODUS』のBD/DVDのジャケットでも描かれなかったような気がする。

 『EXODUS』の島外派遣側の物語を引っ張ったのは後輩組の広登と暉だった。この同級生の男性のペアを通して、道半ばで倒れた者とその意思を継ぐ者という関係が描かれた。つまり、総士と一騎、エメリーと美羽の2組のペアは広登と暉の変形ということになる。この2組のペアはいずれもいなくなる覚悟をした者とその後を継ぐ者という関係だった。(※1)ちなみにこの3組のペアが所属するグループがすべて異なっているのは興味深い。広登と暉は人間、総士と一騎は人の心とフェストゥムの体を持つ存在(※2)、エメリーと美羽はエスペラント。

 カレンダーに描かれた同性ペアのうち、11月、12月以外は最低ペアの片方(4月は二人とも)がいなくなっていることに驚愕。月が変わる度にいなくなった人を見るのはきつい。逆に11月、12月は全員生存しているが、人の姿を取り戻した者を含め、全員新しく生まれた者である。また、2月~5月は全員人間、7月~10月は片方がフェストゥム、11月、12月はフェストゥム、そして人とフェストゥムの混ざった存在で、作品と同じく人とフェストゥムの共存へ過程が表現されているように感じた。

 一騎と総士、芹と乙姫(=島のコア)という関係の出発地点は恋愛ではなく友情だった。しかし、互いに相手を失いたくないという思いから、最終的に共依存に近い関係になった。『EXODUS』において、友情から始まった共依存に近い関係を肯定したというのがこの作品の特異な点だと思う。

 

 12月を見た感想は一言「ずるい!やられた!」
 カレンダーの届く前日まで「abemaTVでEXODUSを配信 その3」の26話の感想を書いていたので、見た瞬間、真っ青になりました。この記事を書く前にカレンダーのイラストを見ていたら、確実に影響を受けたと思います。

 

2017年3月1日追記

カレンダーの販売が終了したので、各月のキャラクターを記載しておきます。

 表紙:一騎と総士(アルヴィス・コート)
 1月:一騎と総士(私服)
 2月:彗と里奈(アルヴィス制服)
 3月:零央と美三香(アルヴィス制服)
 4月:広登と暉(アルヴィス制服)
 5月:真矢とカノン(私服)
 6月:一騎と総士(アルヴィス制服)
 7月:芹と織姫(アルヴィス制服)
 8月:ミツヒロ、ビリー、アイ(人類軍制服)
 9月:一騎と総士(シナジェティック・スーツ)
 10月:美羽とエメリー(私服)
 11月:甲洋と操(アルヴィス制服)
 12月:一騎とこそうし(私服)

表紙・12月:平井久司、1月~11月:白井瑤子

 

※1 『EXODUS』26話で総士は一騎に「未来へ導け」と言って、存在と無の地平線を越えていった。エメリーは『EXODUS』8話で「私達の希望はすでに託された。生きて、美羽」と言っている。

※2 『HEAVEN AND EARTH』で操が一騎の目を治した結果、一騎は他の人よりもフェストゥム寄りの存在になったと考えられる。『EXODUS』6話で一騎は「俺もお前もフェストゥムの力で生きているんだな」と言っている。最終的に一期ラストでフェストゥムからの祝福を受けた総士と同じように、一騎は島の祝福を受けたので、おそらく総士と同じではないが近い存在になった。