『蒼穹のファフナー』では親と同じ考えを持つ子どもが親とは違う考えを持つ、つまり親から分離自立した時、大人になることを描いていました。
●子ども
・総士
総士は親(公蔵)がいなくなった後、親(公蔵)になろうとした。
総士「父さん、僕は長い間、あなたのように考えることを課してきた」
ドラマCD『THE FOLLOWER2』
5年後、総士は親(公蔵)とは違う考えを持った時、大人になった。
総士「だがもう、そうはしないでしょう。
ただ閉じこもり、自ら対話の道を拒むと言うなら、
今の僕はその選択を、この島のあり方を否定する」
ドラマCD『THE FOLLOWER2』
・美羽
美羽は親(弓子)と友人(エメリー)がいなくなった後、親(弓子)や友人(エメリー)になろうとした。
美羽「美羽、ずっと、ママやエメリーになろうとしてた。
教えてもらった通り。
ずっとずっと。
それが正しいって思ってた」
『THE BEYOND』11話
5年後、美羽は親(弓子)や友人(エメリー)とは違う考えを持った時、大人になった。
こそうし「君は君だ。
君がどう世界を祝福するか、見せてみろ」
美羽「みんなに渡すの。
これが美羽の祝福だよ」
『THE BEYOND』11話
・一騎
一騎は友人(総士)を失う前、友人(総士)になると決めた。
一騎「お前が選んだ道を、俺も選ぶよ」
『EXODUS』25話
数日後、一騎の友人(総士)はいなくなった。
5年後、一騎は一期の総士の行動をなぞることで、友人(総士)になろうとした。
●親
【蒼穹のファフナー THE BEYOND】旅で書いたように、竜宮島の住人が竜宮島に帰った時、竜宮島で亡くなった家族(澄美、保と衛、広登)は思い出(墓石、写真、ポスター)になりました。史彦も彼らと同じように竜宮島に帰った時、子どもの一騎は思い出(人形)になっていました。
この時、史彦は史彦が知っている一騎、つまり子どもの一騎がいなくなったことに気がついたのではないだろうか。一騎にとって大人になる=総士になることだったので、大人になった一騎は史彦が知っている一騎とは別人になりました。つまり、史彦の知っている一騎はいなくなったのです。
史彦にとって『THE BEYOND』12話ラストの一騎の旅立ちは、大人になった一騎の旅立ちであるのと同時に、子どもの一騎との別れでもあったのです。