『蒼穹のファフナー』の第16話~第18話のセリフを書き起こした時の個人的な感想をまとめたものです。CDドラマ、映画『HEAVEN AND EARTH』、『蒼穹のファフナー EXODUS』の内容にも触れています。話数全体の感想ではありません。
第16話「朋友-おかえり-」
一期6話の感想の時に書いたとおり、ファフナーは大人に強制されたり成り行き上戦うことになった人々の物語ではなく、自ら戦うことを選んだ人々の物語。冲方が脚本を書く前はそこが徹底されていなかった。
ここで乙姫が問いかける。
乙姫「みんなが求めているものを、与えるのがあたしの役目。
本当にそれが欲しいのか、もう一度選んでもらうために」
一期16話
咲良、剣司、衛がファフナーに乗る場面では剣司と衛が葛藤している。
咲良「ぼさっとしてないでさっさと乗るよ」
剣司「乗るの?」
衛「スーツなしで?」
咲良「一騎だってスーツなしで載ったことあるでしょう。
それに、ここで戦わなきゃ父さんや甲洋たちに申し訳ないよ」
一期16話
また総士の言葉も乙姫の問いに対する答えになっている。
総士「自分の意思で選び直せというのか、乙姫」
そして、登場人物全員が本当に自分の意志で戦いを選んだというところに持っていく。つまりここでこの作品が完全に冲方の手中に収まったということでもある。脚本上のこの仕掛に気がついたときは本当にすごいと思った。
第17話「生存-しかけ-」
総士「それがお前の意志なら僕はそれに従うだけだ」
一期17話
総士「ぼくはコアの言葉に従う。ずっとそうしてきたように」
『EXODUS』6話
総士の立ち位置は一期からブレていない。『EXODUS』で総士はめでたく島から解放されたけど。
17話のお題は「会話」。総士が一騎の元を訪れて話をする。その後、今度は一騎がカノンのところへ言って話をする。終盤の一騎とカノンの会話では、最初と最後で二人の立場が逆転するのが面白い。ここから会話がスタート。
一騎「カノン、お前と話がしたい」
カノン「なんの話だ」
一期17話
この時、カノンは一騎と話をする気がなかったのに最後には「まて、話を聞け。わたしの話を…」とカノンが話したがっているのが面白い。
第18話「父親-おもいで-」
後半に査問委員会があることもあって、今までで一番台詞の量が多い。
真矢「日野のおじさんが死んだこと、お父さん悲しいと思う?」
一期18話
乙姫「今日たくさんの虫が死んで、たくさんの花が散ったよ。
史彦は悲しいと思う?」
一期22話
真矢と同じ質問をフェストゥムである乙姫が真壁司令にするというのが面白い。
後半の査問委員会の場面は映像で見るのとテキストを読むのではだいぶ印象が異なり、演出家とテキストの読み方及び力点の置く場所が違うことを思い知らされた。舞台ではよくあることだけど、アニメでは初めての経験。