『蒼穹のファフナー』の第13話~第15話のセリフを書き起こした時の個人的な感想をまとめたものです。CDドラマ、映画『HEAVEN AND EARTH』、『蒼穹のファフナー EXODUS』の内容にも触れています。話数全体の感想ではありません。
第13話「侵蝕-フェストゥム-」
これまでやった中で一番セリフの量が多い回だった。ここでやっとこの世界について説明してくれる。
史彦「案外素直に協力しているのかもしれん」
溝口「世界の救世主にでもなるつもりだったりしてな」
真矢「一騎君はあんなふうに見られるのが嫌だから島を出てったんです」
一期13話
こういうのが嫌だったのに、皮肉にも一騎は『EXODUS』では「人類軍の救世主?」という役割を振られた。一騎の人生最後の仕事が14歳の時の家出の後始末とは皮肉なものだ。
洋治「では最後にあのコアの発展を見よう」
ミョルニア「我々に発展という概念はない」
洋治「私がこれから教えよう。
それが、真壁紅音が目指した道への最初の扉になるだろう」
一期13話
日野洋治は真壁紅音の目指した道を目指す手段としてザルヴァートル・モデルを作ったとも言えるのか。一騎はザインを一度溶かして再構築し、その際コアも別の物へと変化。日野洋治が考えていたのとは違うかもしれないが、一騎がコアを発展させたと言える。ザインについてはこの回の日野洋治の言葉を読むと二期2クール目へのヒントがあるように感じた。
日野洋治の言葉に「扉」という言葉が出てきたけど、『EXODUS』13話で織姫の「扉を開きなさい」という言葉を思い出した。
第14話「覚醒-せんりょう-」
クレジットは前任者との共同になっているけど、一つの単語をキーにして、このエピソードを構築しているのを見ると、脚本に相当手を加えていると思う。
芹「なんで部活中に兵隊なんか来るの。
みんなとはぐれちゃったじゃない。
もう、お母さん」
乙姫「お母さん」
一期14話
岩戸から出てきた乙姫が最初に発した言葉がお母さん。そして26話で乙姫がミールの元に帰るとき、この言葉が重い意味を持つことになる。
乙姫が最初に出会ったのは芹で、転生した織姫にとっても一番大切な存在となる。最初に会った人が重要な存在になるというと「装甲騎兵ボトムズ」のフィアナを思い出す。
第15話「記憶-さけび-」
14話はラスト、乙姫の「お母さん…」ということばで締めくくったけれど、その言葉はミョルニアからマークザインを受け取る一騎が引き継ぐ。
一騎「母さん」
ミョルニア「私は日野洋治によってこのマークザインをお前に渡す」
一騎「マークザイン、日野さんが」
ミョルニア「日野洋治はもういない。
我々は私にこれ以上の分岐を許さない」
一騎「待って、母さん、母さんなんだろう」
ミョルニア「真壁紅音はもういない。
私はお前たちがフェストゥムと呼ぶ存在だ。
私はお前というアルヴィスの子にミールの器を渡す」
一期15話
ロボットアニメでは父の作ったロボットに主人公が乗って戦うというのが多いので、母親から受け取るというのはロボットアニメの定番とは逆で面白い。このロボットアニメの定番外しが一期前半でスタッフ間の齟齬が生まれた原因の一つのような気がする。
衛、剣司、咲良がトランプをしている横で総士は真壁指令と話し合い。この時点で総士はすでに大人側に属する存在だった。トランプしているパイロット組と総士が同級生とは思えない。ちなみに12話でも真壁指令と話している場面がある。
芹「お父さん、お母さん、大丈夫かな」
一期15話
このセリフから芹には両親がいることがわかる。EXODUSでは芹の両親が出てくる。
一騎が総士の左目を傷つけた事件の真実を知る部分だけど、アニメだけだとわかりにくい。当時、2005年1月刊行のノベライズ、2005年3月リリースのDVD6巻のリーフレットの説明で補完して理解したという感じ。
EDラストの一騎の台詞「総士」はやっと総士と同じものを見て、彼を理解できた一騎の嬉しさにあふれている。