「蒼穹のファフナー」第19話~第21話の感想

 『蒼穹のファフナー』の第19話~第21話のセリフを書き起こした時の個人的な感想をまとめたものです。CDドラマ、映画『HEAVEN AND EARTH』、『蒼穹のファフナー EXODUS』の内容にも触れています。話数全体の感想ではありません。

 

第19話「真矢-まなざし-」

 EDでパイロットスーツ姿が描かれたにもかかわらず、一期19話までロボットにに乗らないヒロインというのは珍しい。もっともこの作品では最後まで乗らず、『EXODUS』までお預けになった人もいますが。

 個人的に苦笑した台詞はこれ。

総士「前線での戦闘より後方支援向きでしょう」
一期19話

総士「後方サポートだ、いいな」
『EXODUS』2話

 総士はブレないねえ。真矢には前線で戦ってほしくないんだな。

 総士は立場上パイロットを戦力として見ているので、一騎と違いパイロットとしての真矢を否定しないし、『EXODUS』10話では「遠見、よく持ちこたえてくれたな」と言ってその働きも評価している。

 

第20話「燈火-ともしび-」

 『HEAVEN AND EARTH』と『EXODUS』1クール目を見た後に見直したら、だいぶ印象の変わった話。一期19話で同化されそうになった咲良を友達が救うという話を受けて、それじゃあフェストゥムに同化された友達はどうなのかという問いかけをしている。フェストゥムに同化された友達が何者かを判断するのは、フェストゥムに対して先入観のない子ども。しかも、そういう状況へ持っていったのは乙姫の意志に従う総士。大人に構わず同級生に甲洋の置かれた状況をすべて話してしまう。

総士「甲洋は全細胞を凍らせ封印する予定だったんだ」
総士「その甲洋が動き出してしまった。
   こうなればフェストゥムとして処理するしかない」
一期20話

子どもたちの答えはこの言葉だと思う。

剣司「もしフェストゥムが甲洋でも、甲洋はフェストゥムだけど甲洋で。
   ああ何言ってのかわかんねえ」
一期20話

 総士は妹がフェストゥムに同化された存在という特殊な状況に置かれていることもあり、人間とフェストゥムの共存の可能性を信じている。甲洋の時は同級生の心に賭けたし、HEAVEN AND EARTHでは「お前がいることに総士は賭けた」と一騎が言っているように操の存在に賭けた。

 

第21話「咲良-みらい-」

 『EXODUS』でアルヴィス内での総士の立ち位置がわかりにくかったんだけど、この話でその謎が解けた。なんのことはない、物語の最初から総士の立ち位置は変わっていない。それが明確になったのは乙姫が目覚めた16話以降。しかし、最初のシリーズで総士が14歳と年齢は低かったので10年前は気が付かなかった。

 

 真壁家で真壁司令と溝口の会話。

溝口「春日井甲洋のいる施設周辺の管理データだ。
   見事に改ざんされてるぜ。きれいすぎる」
史彦「やはり凍結処分を解除したのは彼女か」
溝口「てことは俺たちの動きも筒抜けってわけさ、皆城乙姫にな」
一期21話

 アルヴィス上層部の考えと乙姫の考えはイコールではなく、この会話を受けて乙姫の真意を問うため、22話で真壁司令は乙姫と直接話をしている。そして総士はアルヴィス上層部とは異質の存在で、島のコアである乙姫の望みを実現するために行動している。

 『EXODUS』で総士は19歳。アルヴィス上層部も島のコアの意思に従って行動する総士の考えを尊重して、その行動を容認しているという感じか。総士はおそらく島の誰よりも一番フェストゥムと人類の共存の可能性について、一番先を見ている人だと思う。なので、一期最終回でフェストゥムの世界へ行ったのは、最適解だったと思う。

 

 これとは別に印象に残ったのは総士がカノンに真矢の戦う動機を話す場面。

総士「確かに彼女の動機は知ってる。義務感と孤独だ。
   自分だけファフナーに乗れないことを気にしていたからな」
一期21話

 真矢の悩みは総士と近い部分もあるんだと思った。