【蒼穹のファフナー EXODUS】感情

里奈「遠見先輩と行きたいだけでしょ」
『EXODUS』4話

 里奈の言う通り、暉が竜宮島の外に旅立った理由は真矢だったのだろう。

 しかし、暉は自分の感情を理由にしなかった。

里奈「なんであんたが島の外に行くの」
 暉「真壁指令は彼らの提案に価値があると思ってる。
   だから新人の演習を早めたんだ」
里奈「人類軍を信じるわけ?
   平気で人を攻撃する連中じゃん」
 暉「今いる彼らが俺たちを憎んでいるわけじゃない」
里奈「どうだか」
 暉「美羽ちゃんが特別なのは知ってるだろう。
   本当に世界を救うかもしれないんだぞ」
里奈「そんな。
   わかんないじゃん」
 暉「派遣部隊はきっと実現する」
『EXODUS』4話

 里奈は祖母、行美に話を振った。しかし、行美は里奈の予想とは違う言葉を暉に投げかけた。

行美「双子の兄弟がずいぶんと違う考え方をするようになったねえ。
   人間は甘くない、時に敵より恐ろしい存在になる。
   それを知る覚悟はあるかい。
   もう子供じゃない、自分で決めな」
『EXODUS』4話

 暉は里奈の「遠見先輩と行きたいだけでしょ」という言葉に動揺したことから、竜宮島の外に行くきっかけは自分の感情だったのでしょう。しかし、暉は自分の感情を竜宮島の外に行く理由せず、里奈に対して論理的な判断をしたようにみせかけました。暉が感情に基づいて行動していることは、竜宮島の外に旅立ち、竜宮島の外の世界の真実を見た後、暉は広登に自分の感情を吐露したことからも明らかです。

 暉「この手で守ったはずなのに。
   一騎先輩なら守れたのかな」
広登「よせよ、悩んでも誰も帰ってこない」
 暉「まだ来てよかったっていうのか」
広登「ああ、なぜ憎しみが生まれるかわかった。
   無力だと思わされるから、憎むんだ」
 暉「そんなの、わかってどうするんだ」
広登「俺もお前も、島が平和を与えてくれた。
   だから世界を憎まずにいられたんだ」
『EXODUS』13話

 『EXODUS』15話、広登は人類軍によって連れ去られてしまいました。暉は広登がいなくなった後、広登の仕事を引き継ぎ、竜宮島に帰るまでの様子を記録し始めました。

 『EXODUS』6話の広登。
 

 『EXODUS』18話の暉。
 

 暉は広登と同じように島外派遣の様子をレポートすることによって、自分の感情に左右されることなく、目の前の出来事を冷静に見つめられるようになりました。

暉「毎日、誰かがいなくなる。
  輸送機は血のにおいでいっぱいだ。
  他に何も感じない。
  昨日、このお守りをくれた女の子が死んだ。
  人類軍の攻撃で、大ケガして苦しんでた。
  これに願いを入れた紙を入れる。
  その子は自分のお守りに、希望の地にたどり着けるようにって書いてた。
  でもケガをした後、死んだ家族に会えるようにって書き直した。
  ここは地獄だ」
『EXODUS』18話

 

 暉は竜宮島に帰った後、里奈と一緒にゼロファフナーに搭乗しました。この時、暉は里奈の命を守るために、ゼロファフナーの負荷を一人で背負い、その結果、暉の体は同化されていなくなりました。その後、暉は里奈の夢の中に現れました。『EXODUS』4話の時とは異なり、暉は自分の感情に左右されることなく、里奈に自分が理解したことと望みを伝えました。一方、暉がいなくなったことを受け入れられない里奈は自分の感情を言葉にしています。

 暉「命の記憶が未来を作るんだ。
   父さんも母さんも俺も、ここにいる。
   お前の未来のために」
里奈「広登。
   暉、ねえ、どこ行くの?。
   これ、あんたのでしょ」
 暉「俺が書けなかった願いをお前が書くんだ」
里奈「やだよ、そんなの。
   ねえ、行かないで。
   置いてかないで。
   暉」
『EXODUS』25話

 暉を失った里奈はファフナーに乗って戦い続けました。しかし、『THE BEYOND』1話、里奈はセレノアによってその心を捕らえられ、『THE BEYOND』2話~12話まで眠っていた、つまり里奈の時間は止まっていました。そのため、里奈の物語はここで終わっています。そのため、感情が論理を理解するというテーマは『THE BEYOND』のこそうしによって引き継がれ、 こそうしによってこのテーマの結論が描かれました。