ドラマCD「NOW HERE」の感想

 ドラマCD『NOW HERE』の感想です。『EXODUS』がらみの話が多いです。

 

 『NOW HERE』は2枚目のサントラに付属したドラマCDで、2005年2月23日発売。全話、放送は終了していました。時期としては18話と19話の間のエピソードで、真矢がファフナーのパイロットになることをめぐって、一騎、総士、真矢の三人の電話での会話。『NO WHERE』の時とは違い、一方通行はありません。

 このドラマCDで一番重要なのはザインのリミッターの件。アニメでは一切話が出なかった重要な設定。

総士「マークザインの機能を大幅に制限することが決まった。
   今のままでは力が強すぎて他の機体を巻き込むおそれがあるからだ」
一騎「じゃあ俺一人で戦えば」
総士「どうシミュレーションしても、
   島の全方位をお前一人でカバーすることは不可能だったんだ」
ドラマCD『NOW HERE』

 アニメでは一度も出ていない設定なのに『EXODUS』では既成事実として語られている。

総士「解体のため、リミッターも解除された機体だ」
『EXODUS』6話

真矢「全部のリミッター外したまま乗ったんだ」
『EXODUS』9話

 

 真矢には特に戦ってほしくないが、やはり戦うのは自分一人いいと思っている一騎。

一騎「総士、遠見を戦いから外せないか。
   遠見だけじゃなくて全員。
   咲良も剣司も衛も」
総士「一人で戦うというのか。
   それがどれほど馬鹿げたことがわかってるのか」
一騎「マークザインなら無理じゃないはずだ」

真矢「一騎君は他のみんな、いなくてもいいの」
一騎「ああ、あの機体なら俺一人でも」

一騎「俺、あれに乗れば全部解決するんじゃないかって、
   そんなふうに思ってた」
ドラマCD『NOW HERE』

 『EXODUS』13話で一騎は「俺達が出ていれば助けられた」と言っているけど、リミッターなしのザインの万能感というのは凄いんだなあ。ただしここで一騎は一人でいいと言ってるけれど、システムに総士がいることが前提。この会話のあと真矢から「皆城君がいなくても」と突っ込まれ、一騎は「総士が、いや、それは」と答えている。

 

 真矢に対する一騎と総士の本音。

一騎「遠見を戦いから外せないか」
総士「もし遠見が実戦に参加することになった場合、
   彼女を出来るだけ戦線から下げる」

一騎「遠見は十分戦った。みんなと島に帰ってほしい」
『EXODUS』10話

総士「後方サポートだ、いいな」
『EXODUS』2話

 『EXODUS』でも真矢に対する気持ちは二人とも変わっていない。

 

 総士は一騎の「真矢に戦ってほしくない」願いをかなえようとするが、その本心はこれ。

乙姫「一騎がまたいつ島を出てってしまうか、
   不安なのかな、総士は」
総士「だから僕は一騎の言うとおりにしようとしている」
ドラマCD『NOW HERE』

 総士自身は真矢がパイロットになることはやむを得ないが、前線で戦ってほしくないと思っているだけ。総士はその立場上、パイロットは一人でも多いほうがいいと思っている部分がある。

一騎「なあ総士、お前に取って俺も遠見もただの戦力の一つなんだろ」
総士「そうだ。
   これ以上誰かに肩入れすることはできない、お前にも」
ドラマCD『NOW HERE』

 

 総士と真矢のやりとりで印象に残った会話。

真矢「一騎君のパイロットとしてのデータ、
   もし皆城君が操作できてたらあたしのみたいに違うものにしてた」
総士「な、バカな。そんな質問に答えられると思うか」
真矢「やっぱりそうなんだ、ありがとう」
ドラマCD『NOW HERE』

 

 一騎と総士のやりとりで印象に残った会話。

一騎「総士、お前はどうして戦えるんだ?」
総士「僕一人では、戦えない。パイロットがいて初めて戦えるんだ」
一騎「みんな同じなんだな。
   たまたま俺はこの島にいてそばにお前がいた」
ドラマCD『NOW HERE』

 

 「パイロットは全員、お前を通してつながってるんだろ」ということで、真矢と一騎から互いの伝言を頼まれる総士が不憫である。