2024年10月~12月にBS日テレで再放送された『蒼穹のファフナー THE BEYOND(TV Edition)』を見直した時の感想です。
●感情を取り戻す
保は一期22、23話で家族(妻と息子)をすべて失った後、感情を吐露した。
保「真壁、システムの調整、俺にやらせてくれ、頼む!」
衛や千沙都が味わった苦しみを、
フェストゥムの奴らにも味あわせてやるんだ。
行美「保、子どもたちは復讐の道具じゃないよ」
一期24話
保と同じように、溝口は千鶴を失った後、感情を吐露にした。
溝口「真壁、こいつが千鶴さんを」
史彦「復讐は我々の目的ではない。
我々は決して憎しみを理由に戦ってはならんのだ」
『THE BEYOND』8話
一期24話と『THE BEYOND』8話を結びつける言葉は「復讐」という強い感情です。『ファフナー』は戦争で心が傷つき、感情を失った大人たちが感情を取り戻す物語でもありました。
●追い詰められる
新国連はトリプルプランを実行することで、生き残るべき者を選別した。
バーンズ「本当の目的はフェストゥム因子の消滅と
因子に感染しない特異体質者の選別だ」
溝口「そんな人間がいるのか」
バーンズ「5万人ほどな。
第4プラン、赤い靴作戦。
選ばれた5万人を生かすため、残り20億人の人類を敵と共倒れさせる」
『EXODUS』23話
『THE BEYOND』8話のアルヴィスはかつての新国連と同じように、生き残るべき者を選別した後だった。
アレクサンドラ「必要であれば、救援部隊を送ります。
重要人物を選んで下さい」
溝口「島民全員ってわけにはいかないか」
ヘスター「危機的な状況では生き残るべき者を選ばねばなりません。
どうかご理解を」
真矢「あなたたちの考え方は知っています。
万一のために部隊を待機させて下さい」
ヘスター「選別を終えていると」
史彦「ルヴィ・カーマ、皆城総士、日野美羽だ」
『THE BEYOND』8話
つまり、『THE BEYOND』8話のアルヴィスは、新国連がトリプルプランを実施した時と同じ状況まで追い込まれていたということになります。
●北極ミールとアルタイル
一期26話、北極ミールは総士によってバラバラにされた。
総士「敵のミールが空と繋がろうとしている。
大気圏外から侵攻するフェストゥムとともに、全地球を覆う気だ。
まだ間に合う。
マークジーベンの武器に同化してあれを撃て」
一期26話
『THE BEYOND』11話、アルタイルとお話をした美羽はアルタイルの意思を汲んで、アルタイルを分割して、地球上のすべての生物に分け与えた。
美羽「この子は誰かのものじゃない」
美羽「みんなに渡すの」
『THE BEYOND』11話
北極ミールは他者から強制的にバラバラにされたのに対し、アルタイルは自分自身の考えによりバラバラになりました。
●コア
一期26話、北極ミールは総士によってバラバラにされたが、個体になった。
総士「ミールは己の死を以って、個体であることを与えた」
一期26話
その後、北極ミールから生まれたフェストゥムは多種多様な考えを持つようになった。しかし、『THE BEYOND』12話、レガート、セレノアを除いたフェストゥムは、みな同じ考えを持っていた。
美羽「みんなであの子に届けてもらうの。
もう一度、生まれるために」
『THE BEYOND』12話
一期26話で強制的に個体になったフェストゥム達は、再びコアと一つになったのです。
●家族
マリス「総士と君のための家族だよ」
『THE BEYOND』5話
マリスが総士と美羽のために作った家族は、最終的にマリスの家族になりました。
レガート「無事か、マリス」
マリス「レガート」
レガート「逃げろ」
俺があいつを止める」
マリス「僕を助けに?
なんで僕を」
レガート「俺たちは家族だ。
そうだろ」
『THE BEYOND』12話
『THE BEYOND』5話の美羽の言葉からわかるように、失った家族を取り戻したかったのは、美羽ではなくマリスだったのです。
美羽「マリス、何を連れてきたの」
マリス「総士と君のための家族だよ」
こそうし「えっ」
美羽「違う。そんなの違うよ」
『THE BEYOND』5話