【蒼穹のファフナー THE BEYOND】力、交渉、取引 Part1

 「蒼穹のファフナー」を見直した感想 Part2(BS11)/古い価値観 を書いた後、一期の新国連と竜宮島の力関係を考えていた時に生まれた記事です。

 

●一期~「EXODUS」

・新国連と竜宮島 Part1

 新国連には欲しいもの(竜宮島のファフナー)があった。しかし、新国連は竜宮島が欲しいものを持っていないため、竜宮島との取引は成立しない。そのため、新国連は力で脅す、つまり島民の命と引き換えに欲しいもの(ファフナー)を手に入れようとした。

ヘスター「あれだけの力を持ちながら、
     新国連に協力しないことなど許されるとお思いですか」
  史彦「もし、断ると言ったら」
ヘスター「真壁司令、あなたに断れるかしら」
一期5話

 しかし、新国連が欲しいもの(ファフナー)を手に入れる前にフェストゥムが襲来。その時の戦闘で新国連が欲しいもの(ファフナー)は失なわれたため、新国連は手に入れることはできなかった。

 

・新国連と竜宮島 Part2

 新国連には欲しいもの(コアと竜宮島のファフナー)があった。新国連は竜宮島が欲しいものを持っていないため、竜宮島との取引は成立しない。そのため、新国連は竜宮島を力で制圧し、欲しいもの(コアと竜宮島のファフナー)を手に入れようとした。

  史彦「相手の狙いはファフナーと島のコアだ。
     どちらも奴らの手に余る」
一期14話

 危機を察知したコアは自らの意思で岩戸を離れ、手に入れることはできなかった。竜宮島のファフナーを接収したものの、人類軍の兵士には使いこなすことができず、取り上げられてしまった。新国連は欲しいもの(コアと竜宮島のファフナー)が手に入らないことを悟ると、竜宮島を滅す、つまり島民の命を奪おうとした。

  兵士「予定通りに作動させた。
     爆発まで艦を守れ」

  道生「乗組員ごと吹っ飛ばすだと。
     正気か」
  狩谷「フェンリル、戦略ミサイル。
     大佐は本気で島を消す気よ」
一期17話

 道生が人類軍から脱走し、戦略ミサイルを破壊。一騎が潜水艦に仕掛けたフェンリルのコントロールを持っているカノンの説得に成功したため、竜宮島は生き残った。

 

・竜宮島と新国連

 竜宮島には欲しいもの(真矢)があった。竜宮島は新国連が欲しいもの(マークニヒト)を持っているため、新国連との取引を持ちかけ、取引をするための交渉が成立した。

 陳晶晶「バードが受信サインをキャッチ。
     ダーウィン基地より交渉に応じる模様」
  溝口「マークニヒトを渡すってのが効いたな」
『EXODUS』23話

 ダーウィン基地での取引の交渉中にフェストゥムが現れ、真矢は溝口とともにその場を去った。竜宮島は真矢をマークニヒトと交換することなく、無償で取り戻した。

 

●「THE BEYOND」

 一期~『EXODUS』で力と交渉というテーマは竜宮島と新国連という組織を通して描いたが、『THE BEYOND』では個人を通して同じテーマを描いた。

 

・マリスとアルヴィス

 マリスには欲しいもの(こそうし)があり、まず、こそうし自身に頼んだ。

 マリス「総士、迎えに来たよ」
こそうし「マリス。どうやってここに」
 マリス「島の連中を信じないで。
     一緒に来て」
こそうし「僕は誰も信じない。
     何が本当か、自分で理解してみせる」
『THE BEYOND』5話

 しかし、マリスが欲しいもの(こそうし)の考えが変わってしまったため、マリスの要望には応じなかった。そのため、マリスはエスペラントの力を使って、こそうしにとって一番、大切なもの(自我)と引き換えに欲しいもの(こそうし)を手に入れようとした。

 マリス「眠って。
     よけいな記憶はすべて消すから」
『THE BEYOND』5話

 しかし、竜宮島のコアがマリスを止めたため、こそうしは一番、大切なもの(自我)を奪われずに済んだ。

こそうし「やめろ。
     僕に何をしようとした」
『THE BEYOND』5話

 この直後、こそうしはアルヴィスに保護され、マリスは欲しいもの(こそうし)を手に入れることなく、海神島を去った。

 

・真矢とこそうし

 真矢には欲しいもの(海神島を攻撃しないこそうし)があったが、こそうしと取引をする気はなかった。そのため、真矢はこそうしを力で脅す、つまりこそうしにとって一番、大切なもの(命)と引き換えに欲しいもの(海神島を滅ぼさないこそうし)を手に入れようとした。

こそうし「僕は捕虜だぞ。
     こ、殺すのか」
  真矢「覚えときなさい。
     もしまたファフナーで私たちを襲ったら、
     私があなたを撃つ」
『THE BEYOND』4話

 こそうしは一番、大切なもの(命)を失いたくなかったので、真矢に従うことを選んだ。その結果、こそうしとアルヴィスとの間の戦いは一時休戦となった。真矢が力で得た欲しいもの(海神島を攻撃しないこそうし)は一時的なものにすぎない。かつて真矢は父、ミツヒロからその先を提示されていた。

ミツヒロ「だがもう少しであれを目覚めさせられるし、
     ここを滅ぼすことができる。
     ギャロップもプロメテウスも、
     ここにいる人類軍も消してしまえる。
     お前の命を使って」
ドラマCD『THE FOLLOWER2』

 真矢はこそうしを力を使って従わせたが、こそうしが真矢を上回る力を得た場合、こそうしは真矢を力でねじ伏せ、一騎を殺し、海神島を滅ぼしてしまうだろう。

 

・ルヴィとこそうし

 ルヴィには欲しいもの(本当のこそうし)があり、こそうしが欲しいもの(力)を知っていた。そのため、ルヴィはまずこそうしに現状を認識させた。

 ルヴィ「無力で無知で、だれともつながらず、
     ただそこにいるだけで存在しない」
こそうし「無力なら力をつければいい」
『THE BEYOND』4話

 こそうしはルヴィの言葉から、自分が欲しいもの(力)を知った。ルヴィはこそうしに欲しいもの(力)を手に入れる方法と手段を提示した。

 ルヴィ「はい、あなたには素質があります。
     学びさえすれば、
     エスペラントの究極の力をも手に入れることができるでしょう」
こそうし「究極の力、面白いじゃないか」
『THE BEYOND』4話

 こそうしはルヴィの提案に乗った。

こそうし「お前たちから学んでやる。
     自分の力で嘘を暴いて、僕が何者か、お前たちに教えてやる」
『THE BEYOND』4話

 ルヴィとこそうしの間の取引ははまとまった。ルヴィの欲しいもの(本当のこそうし)とこそうしの欲しいもの(力)を取引することになった。この時、ルヴィはこそうしに欲しいものを手に入れる手段(交渉)と欲しいもの(力)を手に入れるために必要なもの(学び)を教えた。

 

・真矢とこそうし

 こそうしはルヴィから取引と欲しいもの(マークニヒト)を手に入れるために必要なもの(学び)を学んだ。こそうしは欲しいもの(マークニヒト)を手に入れるために必要なものを「命」から「学び」に変更するため、真矢に取引の変更を申し出たが、真矢に却下された。

こそうし「またあのファフナーに乗りたい」
  真矢「島を壊したい?
     痛い目に会うだけよい」
『THE BEYOND』5話

 しかし、総士がこそうしに手を貸し、こそうしは真矢に欲しいもの(学び)が必要な理由を述べた。

  総士「そうとは限らないぞ」
こそうし「違う。
     あの中に知らなきゃいけない何かがある。
     でも、僕をおかしくさせる何かもある。
     どうしたらいいか、教えて下さい」
『THE BEYOND』5話

 こそうしは知らなかったが、こそうしの必要なもの(学び)と欲しいもの(海神島を攻撃しないこそうし)は一致していた。アルヴィスの会議でこそうしをマークニヒトに乗せることを話し合った際、真矢はこそうしが必要なもの(学び)を手に入れられるようにしようとした。

  溝口「皆城総士を乗せることについちゃ、
     上級隊員は全員反対だ」
  史彦「パイロットチームも同意見かね」
  真矢「変性意識のコントロールを学べば、
     あの子も自分と機体を制御できると思います」
『THE BEYOND』5話

 アルヴィスはこそうしを守るための新しいザルヴァートル・モデルを制作することを条件に、こそうしをマークニヒトに乗るための訓練を行うことを了承した。

 史彦「真壁一騎をパイロットとした第四のザルヴァートル計画。
    実行は」
  保「遺憾ながら即可能だ」
  史彦「メカニックは計画に着手。
     パイロットは彼を教育し、敵意をなだめろ」
『THE BEYOND』5話

 こそうしと真矢との間で取引が成立した。こそうしは欲しいもの(マークニヒト)を手に入れるために必要なものを「命」から「学び」へと変更することに成功した。

 

・こそうしと史彦

 こそうしには夢があった。

こそうし「ベノンの兵士になってお前たちと戦ってやる」
『THE BEYOND』2話

 こそうしが欲しいもの(マークニヒト)を手に入れるために学び始めたが、それは夢の実現への第一歩だった。

こそうし「誰よりも優れた兵士になってみせる」
『THE BEYOND』5話

 こそうしはファフナーに乗るための訓練がある程度、進んだ時、マークニヒトに乗る許可が降り、欲しいもの(マークニヒト)を手に入れた。こそうしがマークニヒトに乗った時、竜宮島とつながり、竜宮島のコアからマークニヒトとともに竜宮島へ来るように指示された。

  朔夜「彼らに伝わらないようあなたにだけ教えなければならない。
     器とともに来て、総士」
『THE BEYOND』6話

 こそうしがマークニヒトとともに竜宮島に行くためには、マークニヒトの正式なパイロット、つまり、夢(兵士)を実現させる必要があった。そのため、こそうしは夢(兵士)を実現させるために、マークニヒトを降りた後、史彦と交渉し始めた。

  史彦「竜宮島とつながったんだな」
こそうし「うん。
     でも、教えられるのは方角だけ」
  史彦「どういうことかね」
こそうし「たぶん、島の何かが敵に情報を送ってる」
  史彦「うん、調べよう。
     進む先を教えてくれ」
こそうし「もうひとつ条件が。
     僕も戦えるなら」
『THE BEYOND』6話

 史彦とこそうしの間で取引が成立した。こそうしは夢(兵士)を実現させ、史彦は欲しいもの(竜宮島の座標)を手に入れることに成功した。

 

 史彦が「竜宮島の座標」を手に入れるための立役者はルヴィだった。ルヴィがこそうしに交渉して欲しいものを手に入れる方法を教えた結果、史彦は欲しいもの(竜宮島の座標)を手に入れることができたのである。

 


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