「RIGHT OF LEFT」、「HEAVEN AND EARTH」の感想(2019年)

 『THE BEYOND』第4~6話を見る前に一期1話から見直した時のメモ。今回、『EXODUS』を見るのは断念しました。『THE BEYOND』第1~3話のネタバレを含む感想は後日まとめて公開します。

・RIGHT OF LEFT

僚「昔……お袋が、俺の友達だと言って、つれてきた犬だった。学校に行けないときも……そいつといれば、寂しくはなかった」
『RIGHT OF LEFT』

 僚はアニメではほとんど内面が描かれなかった翔子を補完するキャラクターであるが、翔子にとって猫のクゥは友達だったのだろう。

 

 名は体を表すというが、二人の主人公の名字が生駒と将陵で、生と死(陵は王族、君主の墓を意味する)という作品のテーマが込められている(※1)。

 

・HEAVEN AND EARTH

芹「なんて言ってるか、やっとわかった」

芹「痛い、助けて、痛い、助けて」
『HEAVEN AND EARTH』

 一期はフェストゥムに人間を理解してもらおうとする物語だったが、芹がフェストゥムの言葉を理解したことを契機に人間がフェストゥムを理解する物語へシフトしていったのではないだろうか。

 

 マークザインに乗った一騎が真矢の前に現れ、一騎はカノンの同化を肩代わりした後、マークザインはマークニヒトが発生させたワームスフィアとともに消えた。真矢の目の前でマークニヒトが発生させたワームスフィアとともに消えるというのは一期26話のオマージュだったが、同化の肩代わりは『EXODUS』9話でオマージュされたことから、一期と『EXODUS』をつなぐ場面になっている。

 

保「こいつにコアはない。
  ある馬鹿野郎がマークニヒトを作るために抜き取ったんだ」
『HEAVEN AND EARTH』

 ミツヒロがマークフィアを回収するシーンは一期17話で描かれたが、コアを抜いた後、機体は海に沈めたということなのだろうか。

 

※1 生駒と将陵という名字に込められた思いは『Charada ! (きゃらだ) 』Vol.1(2006年、宙出版)に掲載されている冲方丁のインタビューで話しています。この文章を書いた後、インタビューを読み直しました。