「HEAVEN AND EARTH」を見直した感想 Part1 では書けなかった『THE BEYOND』のネタバレの内容を含む『HEAVEN AND EARTH』の感想になります。
・竜宮島の滅び
バーンズ「お前たちが持ってるおもちゃを欲しがっている者がいてな。
ぜひ譲ってほしい」
史彦「やはりコアか」
一期14話
操「そう、俺に君たちのコアを同化させて」
『HEAVEN AND EARTH』
一期では人間が竜宮島のコアを物理的に奪おうとし、『HEAVEN AND EARTH』ではボレアリオス・ミールが竜宮島のコアを同化という形で奪おうとした。
史彦「敵が戦い続ける限り
いずれ我々のコアは死に至り、島が奪われる」
『HEAVEN AND EARTH』
一期と『HEAVEN AND EARTH』ではコアを失うことが竜宮島の滅びを意味していた。だが、『EXODUS』ではコア以外にも竜宮島に滅びをもたらすものが現れた。
カノン「ゴルディアス結晶を奪われることで始まる島の滅び」
『EXODUS』17話
それはゴルディアス結晶、つまり竜宮島の記憶であり、それは竜宮島への入植以来23年間培ってきたあらゆる分野の知識を意味していた(※1)。『EXODUS』の最後で竜宮島はアルタイルともに海に沈んだことで竜宮島の運命はアルタイルと一蓮托生になった結果、『THE BEYOND』でフェストゥムにアルタイルを奪われることはコアと竜宮島を奪われることを意味している。
・美羽の先
総士「彼女だけがミールに伝えることのできる。
彼らの言葉で」
『HEAVEN AND EARTH』
人間がフェストゥムを理解するために次の段階に進む時に必要なのは、言葉だけでなく彼らの価値観を理解した人間である。
・操の問いかけ
操「空がきれいだって思ったことある」
『HEAVEN AND EARTH』
フェストゥムである操のこの問いに対して、人間である一騎の答えは常に戦いによって失ったものを表していた。
一騎「俺にはもう空が見えない。
もうじき何も見えなくなる」
『HEAVEN AND EARTH』
一騎がファフナーに乗って戦い続けた代償は肉体の同化だった。だが、『HEAVEN AND EARTH』のラストで操が一騎の目を治した。
操「(一騎は)もうすぐ空をきれいだと思わなくなる 」
『THE BEYOND』1話
『THE BEYOND』1話では問いに対して操が答えていたが、竜宮島のミールとの調和によって、生と死の循環を超える命を得た一騎の戦い続けることに対する代償は心の同化である。
一期で一騎は総士の左目の傷を負わせ、ファフナーに乗り続けることによる同化現象は体に現れた。一方、『THE BEYOND』で一騎は偽りの竜宮島を破壊することによってこそうしの心に傷を負わせ、ファフナーに乗り続けることによる同化現象は感情を失うという形で心に現れている。
・母と息子
ミョルニア「私とミールの同期を。
私がコアの生命を維持する」
『HEAVEN AND EARTH』
ミョルニア≠紅音ではないが、紅音の意思を継ぐ者であることから、織姫と一騎は赤の他人ではなくなった。そのため、一騎が総士と同じくコアに従う者にになったのは必然と言えるだろう。
ファフナー開発中における瀬戸内海ミールの再暴走により、研究施設内にて鞘が受胎16週目で襲われ、助けられるが半同化状態に陥る。(中略)その際、ミールの暴走に共鳴した北極ミール側のマスター型とスフィンクス型が竜宮島に現れ、紅音たち自衛軍と交戦し、史彦を守るために盾になった紅音がマスター型と同化してしまう。(※2)
コアになった乙姫の母、鞘と紅音は瀬戸内海ミール暴走により、鞘は瀬戸内海ミールに同化され、紅音は北極ミールに同化された。鞘の息子、総士は北極ミールに同化されたことで北極ミールに属する存在となり、紅音の息子、一騎は瀬戸内海ミールとの調和を得たことにより、瀬戸内海ミールに属する存在となった。つまり、皆城家と真壁家は母と息子が違うミールに同化されることになった。
※1 以前、XEBECの公式サイトで公開されていた『竜宮島回覧板・1129号』の「実子と里子と出産と」の「乙姫」の項より引用。
※2 竜宮島への入植が2128年、『EXODUS』は2151年の物語である。『EXODUS』公式サイト内、SPECIAL/CHRONOGYを参照。
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