2018年12月7日のニコニコ生放送一挙の『EXODUS』14話~26話までのメモ。
・人を消す
真矢「みんな消す気なんだ」
『EXODUS』15話
アルゴス小隊の爆撃機がシュリーナガルからの避難民を攻撃しようとした時に「消す」と使ったのだが、妙に印象に残る表現だった。『EXODUS』23話ではヘスターに対して「消える」と言っている。
真矢「命令を取り消すか、あたしもあなたもみんな消えるか、選んで」
『EXODUS』23話
・広登の死
史彦「また報告にあった堂間広登の件は確証があるまで伏せてくれ」
『EXODUS』16話
史彦は基本的に島民に対して情報を公開するというスタンスを取っているだけに、確証はないとはいえこの台詞が印象に残った。この会議に参加していたのは、真壁史彦、小楯保、羽佐間容子、要澄美、遠見千鶴の5名。つまり広登のことを知っていたのはアルヴィス上層部の限られた人間のみ知っていたということになる。
広登の死が正式に竜宮島に報告されるのは『EXODUS』25話だが、『EXODUS』16話の会議の参加者以外にも広登がいなくなったことを察している人はいた。未来を見ることのできるカノンは広登がいなくなったことを知っていた。
カノン「今日、4名がいなくなりました。
ということはさらに1名。
おそらく広登が」
史彦「そのような未来を見たというのか」
カノン「はい」
『EXODUS』16話
さらにSDPで眠る里奈はおそらくゴルディアス結晶内に保管されているいなくなった者の記憶を読むことができ、その内容を寝言としてその内容をつぶやいた。その言葉を聞いた西尾行美が何かを掴んだ結果、ゴルディアス結晶の解析が進んだ。
西尾「堂間の息子が帰ったと里奈が言った。
敵も味方も消えた命の分だけ成長する」
『EXODUS』17話
この時、キールブロックにいたのは西尾行美、立上真幸と他3名の計5名。西尾行美の発言によりこの5人も広登がいなくなったことを知っていたということになる。
・カレンダー
カノンの見た未来を記録したカレンダーの11月23日(竜宮島が沈んだ日)を確認したところ、印が?だった。
カノン「12月18日。
17日より先のデータが、初めて現れた。
未来が開かれていく」
『EXODUS』17話
カノンは12月17日より先のデータを見るために戦い続けたが、アルタイルが到来したのは11月23日だった。カノンは竜宮島の島民が島を去るという未来も見たのだろうか。
・カノンの決断
カノン「来い、島を奪わせはしない。
母さんのいる島を、みんなの島を」
『EXODUS』17話
カノンが孤独な戦いに対する決意を述べた直後、島は滅ぶが一騎とカノンのふたりだけが生き残る未来を見た。
一騎「もう島には、誰もいないのに」
一騎「みんないなくなった。
いるのはもう、俺とおまえだけだ。
生きよう、二人で」
『EXODUS』17話
なんという意地悪な脚本。
・真矢とアイ
アイ「真矢、わたしも人を撃ったの。
同化された仲間を」
『EXODUS』18話
真矢は人類軍の爆撃機を攻撃した時、『EXODUS』1話で同化された仲間を撃ったアイと同じ場所に立った。
アイ「もし同じ状況になったらわたしがやる。
約束する」
『EXODUS』18話
アイは真矢にこう約束したが、二人はこの後、正反対の行動をすることになる。人間を撃てなかったアイは人を殺すなという竜宮島の教えを守った真矢だったのかもしれない。アイと真矢が人から攻撃された時に取った行動を以下にまとめた。
アイ | 真矢 | |
『EXODUS』18話 | 『EXODUS』18話 | |
アルゴス小隊の工作員を撃てなかった | アルゴス小隊の工作員を撃った | |
『EXODUS』21話 | 『EXODUS』23話 | |
自分を攻撃してきたファフナーを | 自分を攻撃してきたファフナーを | |
攻撃できなかった | 攻撃した |
アイは自分を攻撃してきたミツヒロを撃てなかったがために、フェストゥム(ベイグラントのコア)によって殺された。ベイグラントのコアにら悪意を教えたのは人類軍であることから、人類軍に殺されたのも同然である。つまり、真矢が人を殺すことに一度でも迷った場合、どこかで真矢もアイのように人類軍によって殺された可能性が高いことを示唆しているのだろう。
・変容
甲洋「あの子の心が残ってる」
『EXODUS』20話
ファフナーのパイロットにSDPが発現した後、織姫が史彦に言った言葉を思い出した。
織姫「そう、でも命以外のものまで、守るわけじゃない。
人としての姿や心までもは」
織姫「戦う限り変わることは止められない」
『EXODUS』12話
美三香は体は失っても人としての心が残っていたので、ファフナーに乗って戦うことができた。
・短冊
一騎は喫茶楽園の七夕の笹飾りを片付けることなく、シュリーナガルに旅立ち、喫茶楽園は閉店となった。そのため、派遣部隊が帰還した後、喫茶楽園で暉がカレーを作って里奈に振る舞った。里奈が話しかける前、暉はある一点を見ていた。おそらく一騎の書いた短冊を見ていたのではないだろうか。
里奈「上達したじゃん。
一騎先輩と比べるとまだまだだけど」
暉「キャンプでもそう言われてた。
でも負ける気はないよ」
『EXODUS』24話
この会話の後、笹の葉が1枚落ち、一騎の書いた短冊に当ってひっくり返り、裏側「生きる」という文字が見えた。
暉は里奈にカレーをふるまった後、一騎はアビエイターとの戦いで力尽き、昏睡状態に陥って眠っている一騎の元に行ったことを考えると、「生きる」は一騎の意思表明だったのかもしれない。
・バーンズの脆さ
バーンズ「対フェストゥム戦闘に従い、我が艦以外の通信を禁ずる」
『EXODUS』25話
バーンズが太平洋生存圏を掌握してすぐに竜宮島を攻め込むことになったため、外から別の情報が入ってきた場合、軍の統制が取れなくなることがわかっていたのだろう。
・美羽の役割
織姫「この星であなたと対話をする相手は未来にいるの」
ジェレミー「有益な存在に変えるのでは」
織姫「そのための力はまだ幼いから」
『EXODUS』26話
織姫の言葉からアルタイルと対話するのは今ここにいない人ということになる。そして、アルタイルを有益な存在に変えるというのが美羽の役割なのだろう。
・最後に
島外派遣組の主役は暉と真矢という男女のペアだったのだと思う。二人は人類軍のファフナー・パイロットと同じ任務につき、言葉を交わした。だが、暉と真矢は見ているものが違いすぎて、最後まで対等な関係になれないペアだった。真矢に思いを寄せる暉は告白したものの、その想いは通じなかった。最終的に暉はいなくなり、真矢が一人だけ残された。ふと『RIGHT OF LEFT』の以下の台詞が頭に浮かんだ。
生徒A「お前の自分の気持ちに、けり、つけとけよ。義務教育の世界にいられるうちにさ」
僚「(笑うように)……どんな気持ちさ?」
生徒A「好きな相手に告白するとか、なんでも良いさ。心の残りってのは最悪だ、きっと」
『RIGHT OF LEFT』(※1)
・『THE BEYOND』のCM
『EXODUS』26話を見終わった後に流れる「蒼穹のファフナー THE BEYOND」特報は本編からスムーズに繋がっているので違和感がなかった。休憩時のCMはキンクリの映像から流れるので、本編の余韻をぶち壊していた。
※1 冲方丁『蒼穹のファフナー ADOLESCENCE』(2013年、ハヤカワ文庫)より引用。
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