「蒼穹のファフナー」を見直した感想 Part5(BS11)

 2020年7月3日からBS11で再放送されている一期21話~26話を見た時の感想をまとめました。『EXODUS』までのネタバレが含まれています。

 

・身を引く

 衛は剣司と咲良の姿が手を繋いでいる姿を目の当たりにした時、この事実を受け入れて身を引き、二人を支え、守る側に回った。

 衛「剣司、咲良に告白した?」
剣司「え」
 衛「咲良、そういうのちゃんとしてないと嫌だと思うよ」

 衛「剣司と咲良は絶対に無事さ。
   僕が必ず守るんだから」
一期21話

 衛はこの後、ゴウバインのマスクを脱いだ。

 衛「これ、預かってくれませんか」
容子「えっ、でもそれ」
 衛「お願いします」
一期21話

 この時、衛は「ゴウバイン」ではなく「小楯衛」として戦うことを選んだことを意味している。衛は剣司と咲良だけではなく、竜宮島とその住民を守るために戦ったのである。

 衛「よし、もう誰も悲しませない。
   僕が守るんだ」
一期22話

 

・史彦と総士

 総士は上官である史彦にパイロットに真実を話すことを伝え、史彦は総士の考えを了承した上で総士に委ねた。

総士「真壁指令」
史彦「なにかね」
総士「パイロットを、メディカルルームに集めます」
史彦「わかった。
   では、彼らを頼む」
一期23話

 一騎が狩谷と竜宮島を出て行った後、史彦と総士は何度も話し合ったことで、二人の間には信頼が生まれたのである。

 

・史彦と芹

乙姫「そして、もっとたくさんのことを理解したがっている」
史彦「それを教えるために戦闘中に外にでているのか。
   我々の情報を敵に教えたのか」
   島を滅ぼす危険を犯し、島民の犠牲も考えない。
   この島のコアは悲しみさえ感じないのか」
一期23話

 史彦は乙姫の言葉から「コアは悲しみを感じてない」と判断した。しかし、芹は、乙姫の言葉よりも「人間と同じようにコアにも感情がある」という自分の考えを優先してしまい、史彦の言葉に異議を唱えた。

 芹「悲しくないなんて、そんなわけないじゃないですか。
   乙姫ちゃんだってお父さんやお母さんに会いたかったのに。
   人か死ぬことが悲しくないなんて、なんでそんなこと言うんですか」
一期23話

 この時、乙姫は自分の父や母については一切、話していません。芹は自分の考え=乙姫の考えだと思いこんでいるため、自分は乙姫の言葉を代弁していると思っていますが、実際には芹自身の考えを言っているにすぎません。芹はこの後、自分の考え=相手の考えという考えから抜け出し、相手の言葉を知りたいとするようになります。

  芹「ねえ、あの子達、絶対に何か言おうとしてた。
    どうしよう、気になって戦えないよ」
 里奈「敵が言うことなんて決まってるし。
    嫌いとか憎いとか。
    しゃべるまえにやっつけなよ」
『HEAVEN AND EARTH』

 芹が成長したため、ここでは芹が一期23話の史彦になり、里奈が一期23話の芹の立場になっています。芹はフェストゥムが何を言っているのかを理解します。

  芹「なんて言ってるか、やっとわかった」
  芹「痛い、助けて。痛い、助けて」
『HEAVEN AND EARTH』

 フェストゥムは里奈が言っていた「嫌い」や「憎い」と言っていたのではなかったのです。

 

・人類軍とフェストゥムの戦い

バーンズ「敵の読心能力に対抗するため各部隊には独自の判断で動いてもらう」
一期25話

  総士「そうか、ミールは己の死を以って、個体であることを与えた」
一期26話

 ヘブンズドア作戦終了後、人類軍と北極ミールの双方が自分の考えをつようになり、その考えに基づいて行動するようになった。

ナレイン「今は大将だけで100人はいる」
『EXODUS』2話

ディラン「6体のアザゼル型のうち、ロードランナーの移動を確認」
『EXODUS』6話

 その結果、『HEAVEN AND EARTH』では北極ミールから生まれたボレアリオス・ミールが竜宮島と接触し、『EXODUS』ではナレイン将軍率いるペルセウス中隊が竜宮島と接触した。

 アルタイルという新たなミールの地球への到来が観測され、竜宮島は人類軍とフェストゥムの戦いに参加することになった。

  織姫「あなたたちは新たなミールの奪い合いに参加した」
『EXODUS』6話

 『EXODUS』は実際のところ、個を持った人類軍とフェストゥムの戦いを描いた物語であり、竜宮島は当事者ではなく傍観者だった。

 

・北極ミールと竜宮島ミール

 総士が一騎と接触した時、総士は体のほとんどを同化された後だったため、北極ミールに属する存在になっていた。

   総士「敵のミールの鼓動」
一期26話

 ミョルニアがこの時の総士の状態を言葉にしていた。

ミョルニア「ここを構成する物質は私と関連していない」
一期24話

 そのため、一騎たちは総士を通していち早く北極ミールの動きを知ることができた。

   総士「ミールが、動き出した」

   総士「敵のミールが空と繋がろうとしている」
一期26話

 

・総括

 今回、HDDレコーダーの編集機能を使って、一期6話の私が不要だと思うシーンを抜いたバージョンを作りました。これを見ることによって、長年、私が一期6話に感じていた疑問に対する答えを得られただけでなく、最後の扉を開くことになりました。その結果、私はやっと一期の本当の姿を見ることができるようになったのです。その一例として、長年、心の中にあった一期10話の疑問点と今回手に入れた答えを書きました。ネタバレを回避ためいろいろ説明をすっ飛ばしているので、別記事にしました。

 「蒼穹のファフナー」を見直した感想 Part5(BS11)補足