「蒼穹のファフナー」を見直した感想(2024年4~5月)

 『THE BEYOND』の分析が一段落ついたので、一期を全話見直しました。感想は一期と『THE BEYOND』を対比させたものになりました。

 

●真矢と甲洋

 一騎と甲洋の関係は一期6話の翔子の死を契機にこじれましたが、世界が平和になった時、竜宮島にフェストゥムがやってくる前の平和だった時の状態に戻りました。

「なあ……甲洋は、来年になったら、どうする?」
何となく答えを予想しながら、訊いた。
「島を出るよ」
「そうか」
「お前も多分、そうするんだろ? 一騎?」
「ああ」
冲方丁『蒼穹のファフナー ADOLESCENCE』一章3

史彦「お前は、どこかへ行くのか」
一騎「甲洋と一緒に世界を見てくる」
『THE BEYOND』12話

 

 『THE BEYOND』で総士がいなくなった後の一騎の行動と一期26話で総士がいなくなった後の一騎の行動を対比すると以下のようになります。

   「THE BEYOND」12話 一騎は総士の灯籠を流した(=一騎は総士と別れた)
一騎は甲洋と一緒に竜宮島から旅立った
   一期26話 一騎は総士と別れた
一騎は真矢と一緒に竜宮島に帰った

 一期26話で総士がいなくなった後、一騎のそばに甲洋はいなかったので、一騎は真矢と行動しました。一方『THE BEYOND』12話で総士がいなくなった後、一騎のそばに甲洋はいたので、一騎は甲洋と行動することを選びました。つまり、真矢は総士の位置にいるキャラではなく、甲洋の位置にいるキャラクターだったのです。そのため、一騎と真矢の関係は、『THE BEYOND』12話で竜宮島にフェストゥムがやってくる前の平和だった時の状態に戻ったのです。

「(前略)帰ってきてよ。私……多分ずっと、ここにいるから」
冲方丁『蒼穹のファフナー ADOLESCENCE』一章2

真矢「私じゃ一騎君のいる場所には行けないから、
   ここで帰る場所を守ってるね。
   たまには帰ってきてね、竜宮島に」
『THE BEYOND』12話