「蒼穹のファフナー THE BEYOND」第10~12話の感想 Part4

 「蒼穹のファフナー THE BEYOND」第10~12話の感想 Part3 を公開した後に書いた感想です。

 

●総士のモノローグ

 『THE BEYOND』12話ラストで新規の総士のモノローグが流れますが、私は『THE BEYOND』終了時の総士(!)の言葉でもこそうしの言葉ではなく、5年前、視聴者は聞いていない総士が残した、モノローグだと考えています。そう考える理由は『EXODUS』25話、竜宮島に帰ってきた総士は一騎を見た瞬間、一騎が竜宮島ミールの祝福、つまり生を選んだことを知ったと考えているからです。

 

●返す

 一騎はこそうしから奪った家族を別の形にして返した。

  偽竜宮島 竜宮島
  こそうし こそうし
  セレノア 真矢
  フロロ(年下)  美羽(年上)
  レガート 一騎

 それ以外に、皆城輝夜、朔夜という親族が生まれた。

 

●After All Alone

 14歳、つまり一期の時、わたしとあなたの境目はまだ曖昧だった。そのため、わたしは好きな時に同級生の家の中に入り込んで、その様子を見ることができた。

 それから10年、24歳になった時、わたしとあなたの境目は明確になった。わたしは好きな時に同級生の家の中に入り込むことができなくなった。わたしは一緒にいたい人とだけいる場所で本音を言う。わたしが自分が見せたいと思う部分だけあなたに見せるようになった。

 一期16話以降、一騎が一緒にいたい人は総士だった。『EXODUS』3話を見るとわかるように、一騎が本音を言う相手は総士だった。総士がいなくなった後、一騎は誰にも本音を言わなかった。そのため、『THE BEYOND』で一騎が何を考えていたのかを知っている人はいない。

 

●別れ

・暉

 暉はクロッシングが消えた時、広登がいなくなったことに気がついた。

    暉「なんだ、クロッシングが消えた」

    暉「広登、どこにいる」
『EXODUS』15話

 その後、暉は広登を探し始め、人類軍のファフナーがマークフュンフを回収していく様子を見た。

 結局、暉はマークフュンフを取り戻すことはできなかったため、広登が死んだことを証明するものがなかった。そのため、暉は広登は生きて、いつか会えると信じ続けた。

ウォルター「暉、誰としゃべってるんだ」
    暉「広登ですよ、クロッシングで。
      あいつが生きてる証拠です」
ウォルター「彼の登録は抹消したんだろ」
    暉「だからなんだよ」
『EXODUS』19話

 

・里奈

 里奈はキールブロックで暉と別れた。

  里奈「暉が行っちゃった。
     広登と一緒に」
『EXODUS』25話

 里奈は暉が島に還っていく様子を見たため、島外派遣時の暉のように暉は生きていて、いつか会えると信じることができなかった。そのため、里奈はフェンリルを放った瞬間、死んだ後、暉に会うことを願った。

  里奈「ごめん、暉」
『THE BEYOND』1話

 クロッシングで里奈と繋がっていたセレノアは里奈の心を読み、里奈の望みをかなえた。里奈の心はナレイン将軍が竜宮島を訪れる直前の、暉がまだ生きていた頃の西尾商店にいた。

 マリス「今日も暑いですね」
  里奈「ほんと。
     店にもエアコン付けたいのに暉が嫌がって。
     体に悪いとか言ってさ」
『THE BEYOND』5話

 

・美羽

 美羽は4歳の時、母、弓子とエメリーと別れた。

 美羽「ママ、行かないで」

 美羽「お願い、エメリー、行かないで」
『EXODUS』26話

 里奈と同じく、美羽は母、弓子とエメリーと別れを体験した。そのため、母、弓子とエメリーは生きていて、いつか会えると信じることができなかった。そのため、母とエメリーと同じことをすれば、母とエメリーに再会できると考えてしまったのではないだろうか。それ故、アルタイルと一つになることを、全く恐れていなかったのかもしれない。

 美羽「島に帰れたら
    ママやエメリーがしたこと
    美羽もするだけだもん」
『THE BEYOND』6話