冲方サミット「冲方丁最新情報をお届けする、ちょっぴり早めのクリスマス&大忘年会!」

 2018年12月5日に冲方サミットが開催され、ニコニコ生放送で配信されました。サミット前日の12月4日、冲方丁がツイッターでサミットでは箝口令が敷かれていた『ファフナー』について話すと告知していたので、この日はファフナー一挙ではなく冲方サミットの方を視聴しました。

 

 イベントはなんと『ファフナー』の告知からスタート。『THE BEYOND』の内容のネタバレは一切ありませんでした。話した内容をまとめると以下の通り。

  • コミカライズは2019年1月から新エピソードを掲載
  • 『THE BEYOND』第1話のダビング作業を見学した冲方丁は完成間近の映像を視聴
  • 1年前のおもらし事件の詳細が明らかに

 

 イベント時の会話を書き起こしました。一部聞き取りにくいところは省いています。

編集: 蒼穹のファフナーのコミカライズの方です。漫画アプリのPalcyというところに移籍してですね、エピソードを順次配信していたんですけども、7巻分を配信して、結構長いこと新規のエピソードを描かずに配信できたという状態なんですが、半年空いてようやく来年の1月から新エピソードに行きまして、ようやく一騎がモルドヴァの基地に到着するという(爆笑)
冲方: いやー、すごいね。全何巻になるんだろうね。
編集: でもね、今の所、常識的な数字で終わる予定なんですけど。
冲方: いやー、密度高くね、描いて下さってて。
編集: ここで『THE BEYOND』の話を僕は冲方さんがしようとするたびに、必死にキングレコードの人に何もしゃべるなと事前にメールをされているので、止めるというパターンが続いていたんですけど、ついに今回ちょっとおもらししてもいいということになったらしいので、と冲方さんがおっしゃっていたので、ちょっと僕も知らないので教えてください。
冲方: 先日、ほんとうについ先日ね、ダビング作業というのがあるんですけれども。映像に映像に音をくっつけてって最終形はこれねっていう、もうおしまい、また来年、みたいなね、そういうのがあるんですけど、そういうのを拝見しまして。隣に総監督の能戸さんがいて、向こう側にキングレコードの方がいて、angelaのkatsuさんもいたんですけど、katsuさんがいち早くダビング見たとツイートでおもらしをしたせいで(爆笑) もういいじゃねみたいな。
編集: そ、その程度なんですか。あんなにがんばって守ってきたものなのに。
冲方: いやいやいや。あと来年公開で、年末のイベントでは詳しい情報が一気に出ますので。そろそろ宣伝のためにサミットでもしゃべってくれないか、とちょっと違う言い方をされて。
編集: メールをお見せしたいぐらいに、結構きつめに、お前わかってんだろなぐらいなメールが来て。最近、キングレコードさん、かなり情報統制が厳しくてですね。
冲方: なんで厳しいかってね(爆笑)
編集: 1年前になにか。
冲方: 1年前にうっかり「公開」というボタンを押したまま放置して全部流れたっていう。PVがね。ジーベックさんが、能戸さんがカンカンに怒って、それでキングレコードに情報統制が敷かれた挙げ句、僕にも情報が来ないという(爆笑)。僕がおもらししたわけじゃねえぞみたいな。
いちおう僕、見たんですけども、本当に素晴らしい出来で。逆にね、もったいなと思って、しゃべっちゃうと。しかも、熱心なファンの方々は一言言うと全部わかるでしょ(爆笑)。「あれがこうなってる」と言うと、必然的に「他のキャラはこうでこうでこうで」ってわかっちゃうのがもったいなくて。本当に素晴らしい出来なので。安心して。あとあの、僕らも安心していますから。皆さんはもう耐えられると(爆笑)。大丈夫、ここまでついてきたんだから。お互いの信頼感の元ね(爆笑)。楽しんでいただき、楽しみにしていただきたいなと。本当に素晴らしい出来で。もう……これぐらいね。
編集: まあでもだいぶ伝わりましたね。
司会: 何も言ってないけど。
編集: 何も言っていないけど。僕は逆に何も言っていないのに、何かを言っているような暗示をかけられているのかななんていう。
冲方: いやいやいやいや。僕もいろいろ心配していたんですよ。ここどうかな、ここどうかなって、新しい部分とか。わざわざ二代目総士になったんですが、大丈夫なのか。14歳の声を出せるのか(爆笑)とかね。
編集: 心配ですよね。
冲方: あといろんなキャラクターが出てきて、PVで「なんだこれ、なんだこれ」っていうなのがありましたけれども。いや、うまくはまってね、これがね、本当ね。やってよかったなみたいな。まあ、これ以上は言わない。皆さん、ぜひ楽しみにしてください。以上です。
司会: まあでも、次のサミットにはなんか出てくる感じになるわけですもんねえ。
冲方: 逆に言えって言われると思う。
司会: なるほど、なるほど。
編集: 次はさすがにキングの方をちょっとお呼びして、なんかお話していただくような感じにちょっとしたいなあとは思ってますけどね。
司会: あとS素材とか持ってきてほしいですよね。
編集: そうですね。僕はエクセルの表だけペロッともらったんですけど、「やばい、これは一つも言えない」っていう(爆笑)。スケジュールだったんで。内容がわかんないんで、スケジュールだけ教えてもらったんで、ちょっと言えないっていう。
冲方: そこは本当にまっさらな気持ちで、まっさらな状態でぜひ見ていただきたいと思いますので、お楽しみにしてください。

 

 「EXODUS」と「THE BEYOND」のプロモーションを書いた時に探していた答えが冲方丁の最後の言葉の中にありました。

まっさらな気持ちで、まっさらな状態でぜひ見ていただきたい

 『EXODUS』の脚本執筆時には読者も視聴者も「何の話かわからないのが嫌」で、冒頭でエピローグを描くのが流行っていたが(※1)、『EXODUS』のプロモーションも積極的に情報公開をするスタイルだった。しかし、『THE BEYOND』では『EXODUS』とは正反対に一切のネタバレなしというスタイルを選び、プロモーションもそれに沿った形で行っているということなのだろう。『EXODUS』終了から3年経過していることもあり、このプロモーション方法ではライトなファンに来年、『THE BEYOND』が始まることを伝えるのは難しいのではないだろうか。そういえば、11月から一部の劇場(おそらく公開される劇場)で『THE BEYOND』のPVが流れているという話を聞いた。

 

 冲方丁の小説『破蕾』の告知コーナーでは、小説とコラボしたランジェリーブランド「Albâge」デザイナーの高崎聖渚がゲスト出演したのですが、「ちなみにわたし、ファフナー見て育っているので」と発言。冲方丁も初耳の話だったので、びっくりしていました。高崎聖渚は1989年生まれなので、一期放送時は15歳。

 

※1 【蒼穹のファフナー EXODUS】総士のモノローグを参照