MAXONユーザーミーティング2016

 2016年8月5日、UDXシアターでMAXONユーザーミーティング2016というイベントが開催され、その中で『蒼穹のファフナー EXODUS』の撮影監督、青木隆氏の講演が行われました。このイベントの模様はYouTubeでストリーミング配信され、現在は講演ごとに分割されたものがMAXONのYouTube公式チャンネルにて公開されています。

 青木氏の講演内容はアニメーションの制作現場でCinema 4Dというソフトがどのように使われているかを、実際に制作された映像を使って解説するというもの。講演時間は1時間ほどでした。twitterの青木隆氏のアカウント(@voyager_vision)とMAXONのアカウント(@maxonjapan)でイベントの開催された8月5日のツイートを読むとだいたいの流れがわかると思います。青木隆氏のツイートはtogetterでまとめられています。ツイートで取り上げられていない内容と個人的な感想を簡単にまとめました。

 

  • 講演の最初に青木氏が作成したCinema 4Dで制作した『EXODUS』のカットをまとめたPVを上映。これを見てから青木氏の解説ツイートを読むとあのシーンかとすぐにわかる作りになっていた。小道具、背景動画、果てはフェストゥムまで、社内の撮影が3DCGを組んでいるとは予想していませんでした。
  • 一番興味深かったのは『EXODUS』の制作スケジュール表。3話まではスケージュールに余裕がありました。
  • コンポジットはどうしても終盤に作業が集中するので、比較的時間のあるスケジュール前半の空いている時間をどのように有効活用するかということで、撮影で3DCGを制作して作業効率アップを目指した。
  • 『EXODUS』1話Bパート冒頭のカット(海面~竜宮島~島の風景)は社内で作成した3DCGで作成したカット。海上の途中で光の演出があるところでカメラが偽装鏡面を越えたということ。竜宮島の全景に偽装鏡面とおそらくヴェルシールドの位置を表示したカットがちらっと見えたけど、その地図がほしい。偽装鏡面を説明するのに使ったカットはおそらく『HAE』のラストシーン、もしくは『EXODUS』1話でミツヒロが見ているモニタで使用したもの。
  • 『HAE』の時、コックピットは手書きだったが、『EXODUS』のコックピットはすべて3DCGで作成。この話を聞いた後、『HAE』と『EXODUS』を見比べるとよくわかる。コックピットだけの画像も見せていたけど、細かいところが動くように作られていた。
  • 撮影時のエフェクトの多くは『RoL』の制作時に青木氏が作ったものがベースになっているとのこと。
  • 3DCGで背景を組むとその背景の一部分(たとえばドア)だけ動かすということができるので、出落ちを防ぐことができるという話は感心した。セル・アニメは動くドアとか崩れる岩などは背景と質感が違うので、見た瞬間、ここが動くんだなとすぐにわかってしまう。

 そういえば、昨年のアルヴィス納涼会で社内でも3DCGを組んでいると言っていたのを読んだ時(チケットが取れず未参加。ネットでレポートを読んだ)、社内のどの部署が担当しているだろうと考えていたのですが、さすがに撮影だと思わなかった。『EXODUS』3話放映後、能戸総監督が真矢とミツヒロが喫茶楽園の外で話している時に街灯の周囲を舞う蛾は撮影監督作と書いていたけど、当時、3DCGだとは考えもしなかった。

 

P.S. 本日、カレンダーの振込案内のメールが来ました。