「蒼穹のファフナー HEAVEN AND EARTH」上映版の感想

 『究極BOX』に『HEAVEN AND EARTH』の上映版が収録されていたので、8年ぶり上映版を見ました。

 

 2011年9月に『HEAVEN AND EARTH』のDVD/BDがリリースされた時に見た感想は「(2011年7月に開催された)『蒼穹作戦』で確か中西Pは全カットリテイクと言っていたけど、作画修正は思ったよりも少なかった」でした。そして、今回、8年ぶりに『HEAVEN AND EARTH』の上映版を見たわけですが、パッケージ版と違うのでは?と思ったシーンを『HEAVEN AND EARTH』のBDに付属していた「MEMORIAL BOOK」を見て確認しました。一通り見終わった後の感想は以下の通り。

  • パッケージ版の初見時の記憶通り、作画修正は少なかった。
  • パッケージ版に比べ、戦闘シーンは全体的に明るすぎる気がする。
  • マークニヒトの色味が全体的にパッケージ版より明るく、背景から浮いている。

 この後、疑問を感じたシーンを上映版とパッケージ版を交互に再生して見比べたのですが、色のバランスの異なるシーンが多くてびっくりしました。上映版とパッケージ版では見終わった後に作品から受ける印象がかなり違うと思われます。

  • パッケージ版に比べると上映版の映像は全体的に明るめ。パッケージ版の映像を見慣れているので、上映版にはボレアリオス・ミールによって空を奪われ、ずっと雲に覆われている場所で戦っているという雰囲気が欠けているように感じた。
  • マークザインとマークニヒトはパッケージ版より明るいシーンが多く、背景から浮いていると感じるシーンが多かった。
  • 後半は動画と背景を合成しただけで、エフェクトが追加されていないカットが多い。(例:背景の海が一色ベタ塗り)

 全カットリテイクは伊達ではなく、多くのカットで撮影をやり直していると思われます。上映版を見直すことで、アニメにおける撮影の仕事の内容がよくわかりました。『月刊ニュータイプ』2010年9月号に掲載された『HEAVEN AND EARTH』の広告には「DVD & Blu-ray 2011年初春発売予定」と書かれていましたが、予想以外のヒットでロングランしたにせよ、リテイクの分量があまりにも多く、当初の日程でソフトを発売するのは難しかったと思います。総監督にリテイクについての話を聞いてみたいと思いました。

 

P.S. 現在、UHDを見られる環境を持っていないので、完全版を見るのは当分先になります。