映画を見た後、自宅で予告編を見直したけど、基本的には物語前半の映像で構成されていて、映像的にはさわりでしかないんだよなあ。
続けて2回見たのですが、1回目は酒を呑んだくれる小楯保の姿で涙腺決壊。全編泣きながら見ていました。しかし、2回目はものすごく冷静に物語を追いました。
27稿までいったという脚本がすばらしい。脚本は今年「天地明察」で話題になった冲方丁。パンフを見ながら、名前のあるキャラ23人の行動やセリフを思い出してみたけど、すべて思い浮かんだ。物語の内容は1クールくらいのボリュームがあったそうで、90分という枠なので展開が早め。でも、必要な要素は全部入っているんで、全体のテンポを見るとこれでいいんじゃないかな。ソフト化するときに少し追加があるとうれしいけど。
物語を重視するとテレビで放送するのがいいんだけど、ロボットアニメは週一では難しいという問題とぶち当たる。世間的にもそういう流れになっていて、今年、ロボットアニメは劇場版とOVAが多かった。「ファフナー」のTVシリーズもロボットアニメとしては今一つで、話が面白いアニメという認識でした。
戦闘シーンはトラウマな演出が多くて、精神的にきつかった。(コックピットブロック射出、フェンリル起動、パイロット同化、敵の基地への侵入)その分、カタルシスがあるんだけどね。今回、空を飛翔する機体があったのが絵的に嬉しい。TVシリーズでは貴重なゼクスが早期に退場したし。
設定だけはあったゼロファフナーが出るとは思わなかった。敵との戦闘後、どこかにいると思っていた両親はいなかったと知った上で両親が事故死した機体にその子どもが乗るというのポイントか。最近、複座のロボットアニメが多いなあ。
TVシリーズでは16話以外は制限がかけられていたというマークザインは映画で本領発揮。小説を読んで化物な機体だということが分かったけど、映像でもパイロットへの負荷が描写されていた。ザインとニヒトの対決は飛び道具ではなく殴り合いというのが好み。
映画はTVシリーズとSPで犠牲になった人々のことを忘れず、生き残るというのがテーマであったと思う。「この島で生きた この島に生かされた この島を生かすため」初期のキービジュアルに載っていたこの文章が映画の内容を表現していると思う。島を思うミョルニアと甲洋の行動には泣かされた。
来主操が単なるスフィンクス型のフェストゥムというのは良かった。ただし、来主操の感情が見えにくかったのが惜しい。自分で考えたことがない、コアには逆らえないという部分をもう少しわかりやすく書いてほしかった。
今回、主役は一騎じゃなくて剣司。へたれだけど、後輩を率いて頑張った。あとはカノンが別人と思うほどかわいい。羽佐間容子の養女となり、島の子供になっていた。
今回のキーは弓子と道夫の子供の美羽と新しい島のコア。このあたりを見ると、時が流れたことを実感する。美羽のお絵かきの内容は親ならゾッとするよ。弓子は母としての面が強調されていました。
空を美しいと思った来主操のことを考えるとラストでやっと見えた青い空は気持ちがいい。
てか、フェストゥムより人類の方が怖いよ。竜宮島の思想は新国連から見ると異端なんだろうなあ。
昨日も書いたけど、音楽は絵とのタイミングが合っていない感じ。新収録の音楽は決して嫌いじゃない。TVシリーズとROLは音楽の使い方がよかっただけに残念だ。でも、挿入歌の「さよならの時くらい微笑んで」はうまく使っていた。
で、ラスト、1回目は2年で帰ってくるのは早すぎると思ったんだけど、2回目に見たときはこれでいいんじゃないかな。TVシリーズ終了、二人の人生は重ならないと思っていたけど、この結末はありだと思う。でも、26話を見るのはまだ無理だけど。しかし、皆城兄弟の末路は対照だった。総士は約束通りこちらにもどってきたけど、乙姫は芹にさよならを言って去っていった。
あと1回は見に行くつもりだけど、突っ込んだ感想はBDが出てからかな。情報量が多すぎて、まだ理解できない部分があります。