「蒼穹のファフナー」第24話の感想

 現在、GYAO!で一期が週2回(月・木)のペースで配信されています。一期24話を見た感想です。

 

・家族の死

 保「真壁、システムの調整、俺にやらせてくれ、たのむ。
   衛や千沙都が味わった苦しみを、
   フェストゥムの奴らにも味あわせてやるんだ」
一期24話

剣司「俺が、俺が怖がってたから、代わりにかあちゃんが」
一期24話

 小楯保や剣司と同じく真矢もマークニヒトの攻撃で家族を失ったが、真矢が失ったのは長年、一緒に暮らしていない家族だったので、父の死を知った後の反応は先の二人とは全く異なる。

真矢「前は山にいるとお父さんの背中にいるような気持ちになれたの。
   でも、そんな感じもしなくなっちゃった。
   お父さん死んだらしいって聞いても実感なくって。
   もうたぶんここには登らない」
一期24話

 家族の中に島を出ていった人がいる真矢は、家族全員が竜宮島に住んでいる人とは立ち位置が少し違うのかもしれない。

 

・一騎と真矢

真矢「このまま島にいることだってできるんだよ」
一騎「遠見はそうしてくれないか」
真矢「ううん、一騎君が行くならあたしも行くよ」
一期24話

 この時、真矢は一騎の言うことは従わなかった。しかし、『EXODUS』では一変。島を出たいという一騎の気持ちを大人の力も借りて真矢はねじ伏せた。

一騎「あのさ」
真矢「だーめ」
一騎「なにも言ってないだろう」
真矢「一騎君はお留守番。
   真壁のおじさんにも溝口さんにも言われたでしょう」
『EXODUS』5話

 

・アルヴィスと人類軍

カノン「では私もノートゥングモデルに乗れるのだな。
 千鶴「ええ、あなたの体に移植された因子が定着したのよ」
一期24話

 カノンが強行したこととはいえ、竜宮島では人類軍より先に兵士に対してフェストゥムの因子を投与していた。もっともカノンはそれがフェストゥムの因子だと知った上で打った。

  容子「元々はミールの遺伝子汚染から守るためのものよ。
     ファフナーに乗らなければ危険な因子ではないの」
 カノン「私にはその因子がない。
     だから、ジークフリードシステムとのクロッシングも不完全だし、
     ノートゥングモデルにも乗れないままだ」
一期22話

 一方、人類軍は兵士にフェストゥムの因子だとは知らせずに投与した。

ミツヒロ「昔、カズキマカベは新国連のファフナー開発に協力してくれた。
     その時、彼の遺伝子を元に特効薬が作られたんだ」
 ビリー「素質が足らない人間でもファフナーが操縦できるようになる薬だよ」
『EXODUS』3話

 竜宮島と人類軍が同じことやると、情報公開の有無が浮き彫りになる。

 

・日野洋治の言葉

ミョルニア「私は真壁紅音の意思を継ぐ者として、今ここにいる」

ミョルニア「お互いの発展がなされるだろう」
一期24話

 乙姫と史彦に対してミョルニアは自分の立ち位置を高らかに宣言した。しかし、イドゥンに同化される前はどちらの内容も理解していなかった。ミョルニアは真壁紅音の記憶を持っていたが、真壁紅音という人間については以下のような認識だった。

ミョルニア「真壁紅音はもういない」

ミョルニア「真壁紅音は真壁一騎の、母親」
一期13話

 また、ミョルニアは発展という概念も理解していなかった。

 日野洋治「では最後にあのコアの発展を見よう」
ミョルニア「我々に発展という概念はない」
一期13話

 それではなぜイドゥンに同化された後、ミールと拮抗して再び存在を取り戻したミョルニアは日野洋治の言葉を理解し、そのあとを継ぐ存在になったのだろうか。それを読み解く鍵は日野洋治の言葉の中にある。

ミョルニア「真壁紅音はもういない」
 日野洋治「それを確かめるためにも真壁一騎を君に会わせたい。
      新たな分岐が始まるかもしれんぞ。
      人類とフェストゥム、両方が体験したことのない分岐がな」
一期13話

 つまり一騎と会ったことでミョルニアは変化し、日野洋治の言葉の真意を理解できるようになったのではないだろうか。北極ミールもミョルニアと一騎が会うと何かが起きることを認識していたので、ミョルニアと一騎と会わせないようにしようとしていた。

 日野洋治「これで明日、君の息子と会えるな」
ミョルニア「我々は私を我々以外のミールに接触させない」
 日野洋治「な、なぜだ」
ミョルニア「優先された分岐が行動を始めた」
一期13話

 ここでミョルニアの言う「優先された分岐」とはイドゥンによるモルドヴァ基地を攻撃を指すと思われる。しかし、その戦いの最中、ミョルニアは一騎に会って、マークザインを渡した。