「蒼穹のファフナー」第13~18話の感想(2019年)

 『THE BEYOND』第4~6話を見る前に一期1話から見直した時のメモ。『THE BEYOND』第1~3話のネタバレを含む感想は後日まとめて公開します。

 

・一期13話

 衛「一騎がいなくなって一週間。
   もう戻ってこないのかな」
咲良「あたしらだけで大丈夫だろ」
剣司「そういや、春日井のところの親でも出て行ったんだっけ。
   その前だと日野さん」
 衛「道生さんか。
   もうあんまり覚えてないなあ」
三人「あっ」
咲良「なんだ、あいつ」
 衛「あっ」
剣司「遠見の父さんも、島出てったんだっけ」
一期13話

 一騎が島の外に出ていった話から島から出ていった人の話題に変化したが、この後、道生と遠見の父さん(ミツヒロ)が竜宮島にやってくることを考えるとうまい伏線の張り方である。

 

千鶴「紅音さんだけでしたね。
   フェストゥムの気持ちを理解しないままでいいのかなんていう人。
   あの人のおかげで、私は今の研究を続ける気になったんです」
史彦「彼女が教えてくれたものは私にもまだ遠い。
   一騎にもそれを教えるべきかまだ分からない」
一期13話

史彦「お前があの存在と対話しろ」
『HEAVEN AND EARTH』

 一期13話の時の史彦は迷っていたが、それから2年後、史彦は一騎にフェストゥムである来主操と対話を命じることで、母、紅音の考えを伝えたのではないだろうか。そして、一騎は『EXODUS』で敵と対話することを望んだ母、紅音の考えを胸に自分の進むべきを選んだ。

一騎「でも、敵と対話できる人たちがいる。
   彼らを守るために俺の命を使いたい」

一騎「でもせめて話すことは諦めないよ」
ドラマCD『THE FOLLOWER2』

 

ミツヒロ「あの島のコアを奪うことを再優先にな」
一期13話

 ミツヒロがコアを手に入れることにこだわっていた理由はミツヒロ亡き後の『EXODUS』で明かされた。

 

・一期14話

一騎「危ない。引け。
   脱出しろ」
一期14話

 一騎は新たなフェストゥムがやって来ることにいち早く気がつき、一緒に戦っている人類軍の兵士に警告したが、一騎の母、紅音は瀬戸内海ミールと共鳴したことで敵フェストゥムの位置や思考を感じられる能力を持っていたことを思い出した(※1)。

 

人類軍兵士「気にするな、俺たちは兵士だ、は惜しくない」
一期14話

 人類軍兵士のこの台詞の後に、フェストゥムである乙姫とミョルニアが命という言葉をつぶやいている。

   乙姫「森、風、空、海、光、音、

   洋治「君は私の命を心配してくれているのか」
ミョルニア「
一期14話

 

 一騎に渡すためにミョルニアがマークザインに乗った。一騎に渡す前、ミョルニアはホーミングレーザーでフェストゥムを攻撃しているが、人間の姿をしたフェストゥムならファフナーに乗ることができることをイドゥンを通して北極ミールに教えてしまった。その結果、イドゥンがマークニヒトを強奪し、竜宮島を攻撃することになった。

 

・一期15話

乙姫「私たちの体には帰り道と一緒にこれから進む道も記されている」
一期15話

 『EXODUS』で一騎はアビエイターを倒し、意識を失った一騎は気がつくと道の真ん中に立っていた。

一騎「前にも後ろにも道が続いている。
   終わりが見えないくらい遠くに。
   俺はどっちに向かってたんだ」
ドラマCD『THE FOLLOWER2』

 一期と同じように竜宮島のミールは一騎には進むべき道と戻るべき道を示した。

一騎「この道の先に何があるんだ」

一騎「この道を戻ったらどうなるんだ」
ドラマCD『THE FOLLOWER2』

 

・一期16話

千鶴「こんな時に人間同士で」
一期15話

 竜宮島が人類軍に占領されたことで、千鶴が竜宮島の人の本音を代弁することになった。

 

 画面中央に乙姫が行こうとしている灯台が入っているレイアウトが印象に残った。

 

 灯台で乙姫が歌を歌っていたが、一期4話も含め残念ながら “島のコアが歌う” という設定はうまく使いこなせなかったという印象を受けた。乙姫はワルキューレの岩戸にいる時は話せなかったおので、乙姫の心情の表現として “島のコアが歌う” という設定をうまく使ってほしかった。

 

・一期17話

 カノンに自分の経験を語るという形で、一騎は島を出るまでの心理状態について自分の言葉で話した。

一騎「自分なんかどこにもいないって思ってるから。
   命令された時、お前、安心しただろう。
   ずっと誰かに命令されるのを待ってて。
   自分じゃ何も決められずに。
   ずっといなくなりたいと思ってただけだろう」
一期17話

 一期10話で一騎が竜宮島を出る前の心境と理由が語られているが、一期10話までの一騎の台詞と行動から総士に対する感情を読み取ることはできない。

 

・一期18話

総士「彼女には独断行動という致命的欠陥があります」
澄美「欠陥?」
総士「先の戦闘で勝手に島を離れたことを含め、
   彼女によって作戦に支障をきたすおそれがあるのは
   幼年期からの言動からも明らかです。
   高度な戦術的判断でデータを改ざんし、
   パイロットから外しました」
一期18話

 人の本心を見抜くことのできるが真矢に対して、総士から見た真矢の姿が語られているのが興味深いが、ドラマCD『NOW HERE』でその理由が語られている。

総士「彼女は優れた観察力で人の本音を見抜く力に長けている。
   だがそれはコミュニケーションを拒絶する要因にもなりうるんだ」
一騎「拒絶。遠見が。
   どういうことだ」
総士「人間のコミュニケーションの大半は自分をこう見てほしい、
   自分はこうあるべきだという自己主張によって成り立っている。
   だが彼女にはそれを認めない傾向がある」
ドラマCD『NOW HERE』

 

ミツヒロ「遠見千鶴は同化された母親からお前だけを取り出し
     苦痛だけの人生を与えた女だぞ。
     なぜ庇う」
  乙姫「それがお母さんの意志だもの。
     いなくなるはずだった私がここにいるのは千鶴のおかげ。
     あたしもお母さんも千鶴に感謝してる」
一期18話

エメリー「わたしは、弟がミールに願ったから生きられた」
『EXODUS』26話

 乙姫は母、皆城鞘の望みでコアになってしまったものの生き続けることになったが、エメリーも弟が望んだことで生き続け、アショーカのコアに近い役割を果たした。

 

真矢「お姉ちゃん、今まで守ってくれてありがとう」
一期18話

美羽「みんなを守ってくれて、ありがとう」
『EXODUS』26話

 一期では弓子が守る側、真矢が守られる側だった。弓子は『EXODUS』7話で死亡したが、まだ幼い美羽には母が必要であるため、弓子はミールの力によって生き続けることになった。しかし、弓子は守る側の象徴である銃を持てなくなり、真矢に譲った。この時、守る人が弓子から真矢へ、守られる人が真矢から美羽に変わった。そして、守られる人は一期の “あなた(お姉ちゃん)” から “みんな” へと拡大された。

 

※1 ファフ辞苑5の【真壁紅音と麻木文彦】の項に記載されている。