2022年7月に一期を見直した時の感想です。
●親と子
真矢、翔子、甲洋と剣司、衛、咲良が対になっていました。
一期05話:アルヴィスでトランプ | 一期21話:合宿でトランプ | |
一期06話:翔子(いなくなった) | 一期23話:衛 (いなくなった) | |
一期09話:甲洋(昏睡) | 一期19話:咲良(昏睡) | |
一期23話 A:剣司(ファフナーに乗らなかった) | ||
一期18話:真矢の父が現れた | 一期23話 B:剣司の母がいなくなった | |
一期19話:真矢(ファフナーに乗った) | 一期24話:剣司(ファフナーに乗った) |
翔子と甲洋がいなくなった後、真矢をファフナーに乗せたのは姿を現した父だったのに対し、咲良と衛がいなくなり、剣司はファフナーに乗らないという選択をした。しかし、剣司は母がいなくなった後、ファフナーに乗るという選択をしたことから、子どもがファフナーに乗ることを決める力を持っていたのは親ということになります。
一期の剣司、衛、咲良と『EXODUS』~『THE BEYOND』の真矢、総士、一騎が対になっていました。
一期05話:アルヴィスでトランプ | EXODUS 14話:キャンプ地で話す | |
一期23話:衛 (いなくなった) | EXODUS 26話:総士(いなくなった) | |
一期19話:咲良(昏睡) | EXODUS 22話:一騎(昏睡) | |
一期23話:剣司の母がいなくなった | BEYOND 06話:真矢の母がいなくなった | |
一期24話:剣司(ファフナーに乗った) | BEYOND 12話:真矢(ファフナーから降りた) |
剣司は母がいなくなった後、フェストゥムとの戦いが終わっていないので、ファフナーに乗ることを選んだのに対し、真矢は母がいなくなった後、フェストゥムとの戦いが終わったので、ファフナーから降ることを選びました。
●里奈とセレノア
『THE BEYOND』1話、セレノアとのクロッシングで、自由意志を奪われた里奈はフェンリルを起動し、自分の意志でいなくなることを選んだ。それはセレノアにとって理解できない行動だった。
セレノア「自らの存在を消そうとした」
『THE BEYOND』1話
一期23話、道生は生きて弓子の所に帰ることができなかったが、弓子に生きる希望(子ども)を残していた。そのため、弓子は生きることを選んだ。
真矢「お姉ちゃん、ほんとに」
弓子「ええ」
千鶴「30年ぶりの自然受胎よ」
『THE BEYOND』11話、レガートは竜宮島に行くマークアレスを止めるために、命を使った。レガートはセレノアに生きる希望を残さなかったので、セレノアは死ぬことを選んだ。
セレノア「レガート。
お前だけを逝かせはしない」
『THE BEYOND』11話
この時、セレノアは『THE BEYOND』1話で「自らの存在を消そうとした」里奈の感情を理解したのだろう。
●THE FOLLOWER
一期23話、道生はフェンリルでマークニヒトを倒し、道生は生きて弓子のところに帰ろうとした。しかし、道生はマークニヒトを倒すことはできず、逆にマークニヒトに殺されてしまった。
道生「そっちに、弓子が、いるんだよ」
音声「フェンリル起動」
道生「生きて帰るって、約束。
コックピットブロック射出」
音声「フェンリル開放」
一期23話
『THE BEYOND』11話、レガートは自分の命を使って、マークアレスを倒そうとした。しかし、レガートはマークアレスを倒すことはできず、機体に喰われ、同化されてしまった。
レガート「命が消える前にお前を破壊する」
レガート「命が消える。
すまん、セレノア」
『THE BEYOND』11話
一期23話の道生 vs マークニヒトと『THE BEYOND』11話のレガートvs マークアレスの戦いをまとめると以下のようになります。
道生 | レガート | ||
作戦 | 自分の命を使わずに 竜宮島に行こうとする敵を止める |
自分の命を使って 竜宮島に行こうとする敵を止める |
|
結果 | 自分の命を使ったが 敵を止めた |
自分の命を使ったが 敵を止められなかった |
「自分の命を使うことなく、目的を果たす」という道生の考えは、こそうしと同じだったということになります。
道生「他に術がなくて、ロクに力もないまま戦いに出た。
だが、それでも帰るつもりだったんじゃないかな」
ドラマCD『THE FOLLOWER』
つまり『THE FOLLOWER』で道生が美羽に「自分の命を使うことなく目的を果たす」を教えようとした。しかし、この時の美羽は4歳と幼く、道生の言葉の意味を理解することができなかった。そのため、『THE BEYOND』11話で弓子とエメリーと同じ行動をしようとしてしまった。
●一騎の本質
一騎に特別な感情を持っているのは総士、真矢、カノンでしたが、この3人は一期で「みんなと同じになれない=ファフナーに乗れない」という共通点がありました。『RIGHT OF LEFT』で一騎は動けなくなった僚に手を貸し、『EXODUS』5話で、一騎は竜宮島のファフナ
ー・パイロットのいる喫茶楽園に入りづらそうにしているミツヒロに自分から握手を求めたように、一期の一騎はみんなと同じになれない人を総士、真矢、カノンのそばにいようとしていました。
●見終わった後の感想
こそうしの父が道生の姿をしている意味をずっと考えていたのですが、最終的な結論はマリスの言葉通り「美羽のための家族だった」というところに落ち着きました。
一期を見終わった後、『HEAVEN AND EARTH』ではなく『THE BEYOND』12話を見たいと思ってしまったので、自分の中で『蒼穹のファフナー』という作品が完全に終わったことを実感しました。『THE BEYOND』は『蒼穹のファフナー』という物語を理解し終わった人のための出口ですした。つまり、私たちは一騎の考えをを理解した時、『蒼穹のファフナー』という物語から出ていくことができるのです。
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