「蒼穹のファフナー BEHIND THE LINE」の感想 Part6

 『BEHIND THE LINE』のBDを購入して、見直した後の感想です。

 

●千鶴と一騎

 一期2話、千鶴は一騎をメディカルルームから追い出した。

千鶴「さあさあ、けが人がたくさんいるんだから帰った帰った」
一期2話

 

 『BEHIND THE LINE』では一騎は手を上げ、メディカルルームを出ていった。

一騎「俺は大丈夫。
   一人で考えたいんだ。
   すぐ帰るよ。
   失礼します」
『BEHIND THE LINE』

 一期2話で自分の置かれている状況の見えていない一騎はメディカルルームから追い出されましたが、『BEHIND THE LINE』で自分の置かれている状況が見えている一騎は自分からメディカルルームを出ていきました。

 

●剣司と総士

 一期22話、総士は廊下を歩いてきた剣司に話しかけた。その後、部屋の中に入り、咲良の姿を見た剣司は感情的になった。

剣司「総士。
   なにがあったんだ、総士」
総士「剣司、中に入っても取り乱すんじゃないぞ」
一期22話

剣司「な、なんだよこれ。
   なんなんだよ、これ」
一期22話

 

 『BEHIND THE LINE』では一期22話とは順序が逆になり、総士は真矢に対して感情的な言葉を言った。

総士「君らもさっさと指令書を返納したらどうだ。
   機体に乗る時の自分を逃げ場にするな。
   元の自分に戻れ」
『BEHIND THE LINE』

 その後、 総士は部屋から出ていき、一騎は総士の後を追いかけ、声をかけた。

一騎「総士、どうしたんだ、お前」
総士「感情が表に出過ぎた。
   バイオリズムのせいか。
   まいったな」
『BEHIND THE LINE』

 『BEHIND THE LINE』で総士が一期22話の剣司と同じ立場に立ったことで、総士は一期22話の剣司の感情を体験しました。

 

●「生きたい」と「生きる」

 『EXODUS』5話で一騎が書いた後に紙を丸めた「生きたい」という文字は一騎の望みだったのだろう。

 一騎は「生きたい」という文字を書いた後、『BEHIND THE LINE』の時のカノンとの約束を思い出し、「生きる」と書き直したのではないだろうか。

カノン「い、一緒に考えてやる。
    未来のことを、生きることを。
    だから、だから頼む」
 一騎「生きるよ、カノン。
    生きられる限り、生きていくよ」
『BEHIND THE LINE』

 一騎が短冊に書いたのは一騎自身の望みではなく、カノンの望みだったということになります。

 

●行動理由

『EXODUS』制作時に、なんでああなっていたのか、箇条書きで設定を作って状況の理由づけはしてあった(後略)
『BEHIND THE LINE』BD/DVDブックレット
「能戸隆監督」インタビュー&メッセージ

 能戸監督の言葉から『EXODUS』は「視聴者はキャラクターが言葉で説明していない行動の理由を知ることはできない」という作りになっていたことが明らかになりました。このインタビューは論理的に物語を読むことができれば、キャラクターが言葉で説明していない行動理由を推測できることを示しています。