真矢にとって『EXODUS』と『THE BEYOND』とは、総士と別れ、親になる物語でした。
●親との別れ
『EXODUS』14話、総士は一騎に言いたいことを言えない真矢に言葉をかけた。
一騎「それが俺の命の使い道ならそうする」
総士「遠見は違うと言っているぞ」
真矢「何? 皆城くん」
総士「言いたいことを口にするといい」
真矢「するといいって」
『EXODUS』14話
この時、真矢は総士の姿を見ることができた。
『THE BEYOND』5話、総士はこそうしの望みを拒否した真矢に言葉をかけた。
こそうし「遠見さんにお願いがあります」
真矢「何?」
こそうし「またあのファフナーに乗りたい」
真矢「島を壊したい?
痛い目に会うだけよ」
総士「そうとは限らないぞ」
『THE BEYOND』5話
この時、真矢には総士の姿が見えず、声だけ聞いた。
『THE BEYOND』12話、祭りが終わった後、真矢は喫茶楽園の前で一騎と話をした。しかし、祭りで一騎が総士の灯籠を流してしまったので、真矢に言葉をうながしてくれる総士はもういない。真矢は一騎に自分の望みを言うことができませんでした。
真矢「一騎君、この島にと……」
いつ島を出るの」
『THE BEYOND』12話
●親になる
こそうし「遠見さんにお願いがあります」
真矢「何?」
こそうし「またあのファフナーに乗りたい」
真矢「島を壊したい?
痛い目に会うだけよ」
総士「そうとは限らないぞ」
『THE BEYOND』5話
真矢は「そうとは限らないぞ」という総士の言葉を聞いた後、自分の望み(こそうしをファフナーに乗せない)を心の中にしまい、こそうしの望み(ファフナーに乗りたい)をかなえるために行動し始めました。
溝口「皆城総士を乗せることについちゃ、
上級隊員は全員反対だ」
史彦「パイロットチームも同意見かね」
真矢「変性意識のコントロールを学べば、
あの子も自分と機体を制御できると思います」
『THE BEYOND』5話
自分の望みよりもこそうしの望みを選ぶということは、真矢がこそうしの行動について責任を持つことを意味していた。
史彦「パイロットは彼を教育し、敵意をなだめろ」
それが真壁一騎の責務を和らげてくれる。
真矢「最善を尽くします」
『THE BEYOND』5話
真矢は自分の望みを心にしまい、こそうしの望みを信じて行動することで、竜宮島に帰るという島民の望みをかなえることができました。
真矢は総士の「そうとは限らないぞ」という言葉から、自分の望みを心の中にしまい、子どもの言葉を信じ、子どものために行動するを学びましら。それが “親” というものでした。総士は「そうとは限らないぞ」という言葉で、真矢を “親” にしたのです。