演出を読む方法は台詞を読む方法と同じです。たとえば、状況が似ているAとBという二つのシーンがあり、Aではキャラクターが椅子に座る、Bではキャラクターが椅子から立ち上がるという場面があったとします。AとBという二つのシーンを比較し、同じ部分と違う部分を考えることによって、演出の意図を読んでいきます。
一期17話、一騎がカノンを説得し始めた時、一騎とカノンの距離は音声のみ、つまり声が届く距離でした。
カノン「666が、なぜ?
誰の命令だ」
一騎「お前、本当にわかんないのか」

その後、一騎はカノンとの距離を狭め、お互いの顔が見える距離にした。
カノン「近づくな」
一騎「離れていちゃ顔も見えないだろ。
お前、いるじゃないか、そこに」
一期17話

これに対して、『THE BEYOND』12話には一期17話とは逆に「顔が見える通信」から「音声通話」に切り替えるシーンがありました
『THE BEYOND』12話、偽竜宮島で友人だったこそうしとマリスの距離は、お互いの顔が見える距離でした。
美羽「マリス」
こそうし「黙って逃げる気か。
卑怯だぞ」
『THE BEYOND』12話

会話の途中でこそうしはクロッシングを切るという形で、マリスとの距離を声が届く距離にしました。
こそうし「人類の裏切り者め。
一生、千鶴さんたちの命を奪った償いをして生きろ」
『THE BEYOND』12話

一期17話では一騎がカノンとの会話を「音声通話」から「顔が見える通信」に切り替えることで、一騎とカノンの関係が近くなったことが表現されていましたが、『THE BEYOND』12話ではこそうしがマリスの会話が「顔が見える通信」から「音声通話」に切り替えることで、こそうしとマリスの関係が遠くなったことが表現されていたということになります。
つまり、『THE BEYOND』12話後のこそうしとマリスの距離は、一期17話で一騎とカノンが話し始めた時の距離と同じになったということになります。一期12話、一騎は道生にカノンについて話している場面があります。
道生「一騎、こいつはカノンだ。
お前のファフナーの腕をぶった切ったやつだ」
一騎「知ってます。
さっき話しました」
一期12話
これが『THE BEYOND』12話後のこそうしとマリスの距離ということになります。
演出が読めるようになると、言葉では描かれていない考えや感情が見えるようになります。