【蒼穹のファフナー THE BEYOND】家族と故郷

  一騎「たくさん敵の命を奪ってきた。
     返せるものは返すよ」
『EXODUS』18話

 一騎がこそうしから奪った家族と故郷は別の形ではあるものの、こそうしに返されるはずである。

 

・野心家

 マリス「例年通り、灯籠には低温藻素を使用、
     盆踊りの場所に若干の変更が。
     聞いているのか」
こそうし「え、なんだって」
 マリス「どうした、ぼんやりして」
こそうし「大丈夫だ」
     何の問題もない」
『THE BEYOND』2話

 『THE BEYOND』2話でマリスはこそうしの友だち、つまり総士にとっての一騎と同じ位置にいるキャラクターとして描かれていた。それはマリスが『THE BEYOND』2、3話で乗っていたのは、『THE BEYOND』1話で一騎が乗っていたマークツヴァイ改グリムリーパーだったことからも明らかである。しかし、オリジナルのマークツヴァイは総士の義姉、蔵前が乗っていった機体であり、これがマリスのポジションを表していた。マリスは総士にとっての一騎つまり友人から、総士にとっての蔵前つまり血の繋がっていない兄になろうとするキャラクターだったのだ。つまり、最終的にポジションを争う相手は一騎ではなく、美羽ということになる。

 こそうしが海神島に連れ戻された後、マリスはアルヴィス内のこそうしの部屋を訪れた。こそうしを連れ戻そうとしたが、こそうしから拒否された。その後、マリスはこそうしの部屋にやってきたアルヴィス上層部と交渉したたため、こそうしはマリスの真実の姿を目の当たりにすることになった。それは史彦がこそうしに語ったマリスの姿そのものだった。

  史彦「我々の保護下にありながら連れ去られたのだ。
     マリス・エクセルシアという名のエスペラントに」
こそうし「エスペラント?
     違う。マリスはお前たちの仲間なんかじゃない」
  史彦「そう。
     彼は我々を裏切り、フェストゥムの側へ去った人間だ」
『THE BEYOND』3話

 一騎が総士の真実の姿を知った後、二人の友情はより強固なものになったが、こそうしがマリスの真実の姿を知った後、二人の間にあった友情は失われた。

こそうし「お前をずっと親友と思ってた」
 マリス「僕もだ。
     今でもね」
『THE BEYOND』5話

 マリスはこそうしの義兄となって、レガート、セレノア、こそうしと家族になることはできなかった。

 

・フェストゥムと人間

冲方 膠着状態はあるわけですね、真矢と一騎。単純な話、誰か一人が欠ければね、片方は繋がるんですね。そういう話なんですよ。
「蒼穹のファフナーEXODUS」スペシャルイベント-痛み-

 『THE BEYOND』6話で千鶴が史彦をかばっていなくなったため、史彦、千鶴、一騎、真矢から一人欠けたということになる。その結果、『THE BEYOND』7話以降、一騎と真矢がつながるのではないのだろうか。一騎がこそうしから奪った親の役割を一騎と真矢が引き継ぐことを示唆するのかのように、一騎はレガートに、真矢はセレノアに会っている。

 偽竜宮島が破壊された後、マリスとともに海神島を訪れたレガートは一騎と会って話をした。

レガート「なぜフロロを消した」
  一騎「お前たちがみな、マレスペロに支配されているからだ。
     できれば消したくなかった」
『THE BEYOND』5話

 『THE BEYOND』1話、真矢は姉、弓子の姿をしたフェストゥム(セレノア)を発見した。

  真矢「お姉ちゃん?
     違う、フェストゥム」
『THE BEYOND』1話

 偽竜宮島が破壊された後、マリスとともに海神島を訪れたセレノアの姿を確認し、CDCに報告したのは真矢だった。

  真矢「フェストゥムを確認」
『THE BEYOND』4話

 しかし、こそうしにとって記憶を改竄しようとしたマリスも、強制的に眠らせたり聞いていないことを勝手に教える美羽も大差はない。現時点ではこそうしは相手の気持ちを考えることなく、言うことを聞かせる力を持つエスペラントという存在を拒否している状態である。

こそうし「君にもマリスにも教えないからな」
『THE BEYOND』6話

 『THE BEYOND』6話までの段階で、こそうしが受け入れていたのは、史彦、千鶴、真矢の三人だった。こそうしが一騎を、美羽がこそうしを理解した時、こそうしは偽竜宮島に代わる新しい故郷とレガート、セレノア、フロロに代わる新しい家族を手に入れることになるのだろう。

  総士「一度失われ、戻った」
『EXODUS』2話

 そう、総士の左目の視力のように。