「蒼穹のファフナー THE BEYOND」第5話-1「教え子」

 2019年11月8日から劇場先行上映された『蒼穹のファフナー THE BEYOND』第4~6話のうち、5話の感想です。劇場で4~6話をまとめて見たため、6話までのネタバレ内容も含まれています。また、劇場で販売されたパンフレットの内容も含まれています。

 文中引用した台詞は劇場で聞き取ったものであるため、間違っている部分が多々あると思われます。ご了承ください。

 

・真実を知る

 マリスは海神島に侵入し、こそうしの部屋に忍び込み、こそうしと再会した。そして、マリスは3年前にこそうしを島から連れ去ったのと同じ方法で島から連れ去ろうとした。竜宮島のコアがマリスを退け、その間にこそうしが目を覚まし、マリスを拒否した。つまり3年前にとは異なり、マリスの作戦は失敗した。

 その直後、こそうしの部屋にはルヴィとディラン、さらにアルヴィスの保安部隊が来た。この時、こそうしは2歳の時に起きた出来事を14歳の自分が体験し、史彦がこそうしに説明したマリスの素性をマリス自身の口から聞くことになる。つまり、こそうしはここで幼い頃、マリスによって海神島から連れ去られたこととマリスがかつて海神島にいたという史彦の話が真実であることを知るのである。

 

・死を理解したフェストゥム

 セレノアと甲洋、操が会話する場面を見て、翔子を通じて “死” を理解したフェストゥムである甲洋の存在が大きな意味を持っていると感じた。

 

・時計

 美羽がアルヴィス内で暮らしていたこそうしに声をかけ、こそうしは遠見家で暮らすことになった。中古市を歩いていると、こそうしは海神島で使っていたのと同じ時計を発見し、購入した。

 こそうしは偽竜宮島にいた時、自室にあった時計と同じ時計を部屋に置くことで、遠見家を自分のいるべき場所として定めたのかもしれない。

 

・こそうしと真矢

 遠見家で暮らすことになったこそうしは朝起きて、階段を降りると風呂上がりの真矢と遭遇。シャツがはだけていたため、真矢の下着姿を目撃してしまった。真矢は『EXODUS』2話と同じく、こそうしに見られても意に介さず、こそうしは思わず目を背けた。その後、こそうしは真矢とファフナーの訓練を行うことになったが、こそうしはシナジェティクス・スーツ姿の真矢の体をついじっと見てしまった。

 一期と『EXODUS』では総士の真矢に対する気持ちはわかりにくかったが、『THE BEYOND』ではこそうしが遠見家に住み、総士よりは真矢との距離が近くなった。そのため、こそうしを通して総士の真矢への思いをわかりやすく表現している。

 

・もう一人のあなた

 夜、海神島の常夜灯から海沿いの道を歩いているこそうしの前に輝夜、朔夜、総士が姿を現した。

  朔夜「器の中のもう一人のあなたの声を聞いて」
『THE BEYOND』5話

 竜宮島のコアは “親” と “産まれる” を知らないこそうしにうまい言い方をして総士のことを伝えた。輝夜、朔夜と一緒に総士の姿が現れたので、こそうしが竜宮島に行くと転生前の総士の記憶を手に入れ、島のコアのように前世の記憶を取り戻すことになるのかもしれない。

 

・真矢の右眼

遠見真矢
3年前の戦いでセレノアに右眼の視力を奪われる。
『THE BEYOND』第4~6話パンフレット

 一期では総士(フェストゥム)の左眼の視力が一騎(人間)によって奪われ、『THE BEYOND』では対照的に真矢(人間)の右眼の視力がセレノア(フェストゥム)によって奪われた。総士は左眼の視力を奪われたことでファフナーの乗ることができなくなったが、真矢は何を奪われたのだろうか。

 真矢はセレノアに右眼の視力と一緒におそらく “フェストゥムの心” と “フェストゥムの時間” を見る眼を奪われ、その結果、真矢は連れ去られる前の3年前のこそうしと連れ戻した現在のこそうしの変化に気が付かなかったのではないだろうか。