『THE BEYOND』第4~6話の感想 Part1を公開した後に書いた感想になります。
●世代交代
保「ザインの中が一番安全だから、
なんて理屈じゃ収まらなくなってきたな」
『THE BEYOND』5話
こそうしを連れ戻しに行きたがる美羽のために、大人たちがなんとか理由を作ってあげて美羽をマークザインに乗せたのではないだろうか。
一期 | THE BEYOND | ||
連れ去られた人 | 総士 | こそうし | |
連れ去った人 | イドゥン | マリス | |
連れ戻す人 | 一騎 | 一騎、美羽 |
『THE BEYOND』では一期と同じく総士(こそうし)がフェストゥム側に連れ去られ、一騎が連れ戻しに行くという流れになっているが、『THE BEYOND』1話で発射してしまったロケットに手を伸ばすのは一騎ではなくマークザインに乗った美羽であることから、連れ去られたこそうしと合わせ、物語の主人公が一世代下の世代に移ったのは明白である。
●美羽と真矢
美羽は出会った時からこそうしが好きだったのではないだろうか。だとすると、こそうしが友人のマリスが連れ去られた時の美羽の怒りは如何程のものだっただろう。
連れ戻したこそうしと再会した後の美羽はすごく積極的。いきなりおでこにこっつんこして話し始めた。ちなみに女の子に慣れていないこそうしは耳まで真っ赤。海神島に戻った後はアルヴィス内のこそうしの部屋のベッドでうつ伏せになっていた。さらに真矢に一緒に家で暮らしたいとお願いする始末。
しかし、遠見家で一緒に暮らし始めると、こそうしは精神的にあっという間に成長してしまった。こそうしにとって美羽は友達であり家族となったことで、こそうしは大人の女性で生まれ変わる前の自分であり、親である総士が好きだった真矢に目が行くようになってしまった。
●ミール
エスペラントと呼ばれる交信能力を持った人間の力を増幅し、敵を退けたり、遠く離れた者達の心を結びつける
「作品コンセプト キャラクター概要 主要キーワード」冲方丁(※1)
アショーカを心を遠くに伝えるミールだった。
一方瀬戸内海ミールは記憶や心を貯める性質を持つミールだった。三分割され、海神島、蓬莱島、竜宮島が所有していた。今は以下のような状態になっている。
・海神島のミール
ベイグラントのコア「あいつらはたくさんの心を作っては消した。
僕がいた島の人たちもみんな殺した。
でもそのたびに力が育った」
『EXODUS』22話
海神島ミールは島の住人や新国連が作ったパペットの憎しみを貯めていた。
・蓬莱島のミール
総士「同化された人間の思念、これほどか」
『EXODUS』7話
第四話「力なき者」
ニヒトに眠る憎悪の念が、彼を復讐に駆り立てる。
『THE BEYOND』第4~6話パンフレット
マークニヒトの中に眠る蓬莱島のミール(※2)はフェストゥムが同化した人間の憎悪を貯めていた。
・竜宮島のミール
行美「ゴルディアス結晶が敵と味方、両方の命の情報で成長する」
『EXODUS』18話
竜宮島のミールは敵味方問わず、命の情報を貯めている。
三分割された瀬戸内海ミールは最終的に一つに戻るのだろうか。
●止まっていた時間
『THE BEYOND』4話、マークニヒトに乗ったこそうしと戦う時、パイロットたちはしつけやお仕置きと言っていたことからわかるように、海神島の人々にとってはこそうしは連れ去られた時の2歳の子どものままだった。しかし、こそうしがアルヴィスを出て、連れ去られる前(真壁家)とは別の家(遠見家)で暮らすようになると、海神島の住人とこそうしの間の時間が動き出した。
※2 『EXODUS』BD-BOXのブックレットの「作品コンセプト キャラクター概要 主要キーワード」冲方丁に記載されています。