「蒼穹のファフナー THE BEYOND」第4話-1「力なき者」

 2019年11月8日から劇場先行上映された『蒼穹のファフナー THE BEYOND』第4~6話のうち、第4話の感想です。劇場で4~6話をまとめて見たため、6話までのネタバレ内容も含まれています。

 文中引用した台詞は劇場で聞き取ったものであるため、間違っている部分が多々あると思われます。ご了承ください。

 

・ルヴィ・カーマ

ディラン「楽しまないで下さい」
『THE BEYOND』4話

 こそうしが乗るマークニヒトに対して、ルヴィは防人で防戦。その様子は物騒だが、こそうしとルヴィという二人の子どもが遊んでいるように見える。

 

・陣内の反応

 ルヴィがこそうしをマークニヒトに乗せたが、こそうしが暴れまわった後、美羽が眠らせることでなんとか収めることができたが、CDCで陣内が不満を述べた。ここで陣内が言っていることは『HEAVEN AND EARTH』で総士が帰還した後の竜宮島の島民の反応そのものである。ここでもこれまでアニメでは描かれなかった部分のキャラクターの感情が描かれている。

 

・彗と里奈

 第5次蒼穹作戦で仲間を守るために里奈はフェンリルを起動した。彗がSDPで里奈を救ったが、以後、昏睡状態に陥り、眠っていた。

蒼穹作戦後、1年間の昏睡状態から目覚めた一騎は、溝口からの依頼により、喫茶”楽園”でリハビリも兼ねてアルバイトすることになった。
『HEAVEN AND EARTH』ブックレット

 里奈を通して、視聴者は劇中では一切描写されなかった一期26話後の一騎の姿を見ていることになり、里奈=一騎、彗=真矢、暉=総士という構図になっている。

 

・奪われる一騎の人間性

 こそうし奪還作戦が成功した後、眠りについた一騎は海神島に着いた後、目覚めた。

  一騎「久しぶりに食べることを思い出したい」
  真矢「あたしはお腹すきっぱなし」
『THE BEYOND』4話

 エレメントである一騎と人間である真矢の違いが浮き彫りになっている。アショーカに命を与えられた弓子の台詞を思い出した。

  真矢「なんか食べた?
     食べる物持ってこようか」
  弓子「いいの、今は必要ないから」
『EXODUS』10話

 一騎の人間性は “食べる” という生物としては基本的な欲求から奪われていっているように見える。

 

・マリスと一騎

 こそうしの問いに答える形でルヴィがマリスについて話していたが、その時出た過去のマリスの姿は大人の男性だった。ということは、少年の姿は作り物なのかもしれない。

 その場合、マリスはこそうしの育ての親であり、親友という立場になり、こそうしの育ての親でこそうしの親の親友である一騎と同じ位置にいるキャラクターということになる。一騎は乙姫(フロロ)を殺したことによりこそうしから「殺してやる」と罵声を浴びせられ、マリスもこそうしを眠らせて連れ去ろうとしたため、拒否された。マリスと一騎はこそうしの親であり、親友という立場を争うことになる。