蒼穹のファフナー THE BEYOND 第2話-2「楽園の子」

 『THE BEYOND』1巻を購入後に見た感想をまとめました。この記事には『THE BEYOND』第1~3話のパンフレットに記載されている内容が含まれています。

 

・コアの警告

輝夜「ここに来てはダメ。
   今のあなたでは島を滅ぼすから」
『THE BEYOND』2話

 この夢を見た時のこそうしはベノン側の人間なので、もし今、こそうしが竜宮島に行くことになった場合、ベノン軍と一緒に行くことになる。その場合、竜宮島はマレスペロの手に落ち、滅ぼされてしまう。

 

・常夜灯

 こそうしは偽竜宮島の常夜灯のそばでうたた寝をしている時、竜宮島のキールブロックにいるコアと一騎の夢を見た。

こそうし「また変な夢を見たな」
『THE BEYOND』2話

 ”また” と言っていることから、常夜灯でうたた寝をしている時に何度も見ている夢なのだろう。一騎はこそうしと待ち合わせ場所に常夜灯を指定していたことから、常夜灯のある場所が偽竜宮島の中で唯一、外界とつながることのできる場所なのだろう。

 

・フロロとこそうし

こそうし「外の世界がどうなっているのか誰も知らないのに」
レガート「知る必要はないだろう」
 マリス「平和ってこと以外に何が知りたいんだ」
 フロロ「だいたいどうやって知るのよ」
こそうし「あれだ」
『THE BEYOND』2話

 こそうしに外の世界を知るためのヒントを教えてしまったのは、こそうしに一番近い存在且つこそうしのことを一番理解していたフロロだった。

 

・親子

こそうし「仕方ない。
     別の手段を考えよう」
『THE BEYOND』2話

  総士「仕方ない。
     料理というものを教えよう」
『EXODUS』1話

 ”仕方ない” と “考(教)えよう” という言い回しは総士も使っていたので、こそうしが総士の子だと感じる台詞。

 

・偽竜宮島の姿

こそうし「平和でしょ、この島」
  一騎「……」
『THE BEYOND』1話

 こそうしの目には多くの人が平和に暮らしている島に見えているが、一騎が見たのは竜宮島と同じ町並みを再現しているものの、全く人影のない島。それ故、一騎はこそうしに言葉を返さなかった。

 

・台詞回しの妙

こそうし「あなたはベノンの人間、それともエスペラント」
  一騎「どちらでもない」
『THE BEYOND』2話

 一騎の視点では “ベノン” はマレスペロの率いるフェストゥムの群れを指し、”エスペラント” はマリスや美羽のような人たちのことを指すので、返事は「どちらでもない」となる。ここでこそうしが「エスペラントの人間」と尋ねないのがミソである。この後、フロロが一騎のことを「三人のエレメントの一人」と言っていたことから、こそうしの聞き方だと一騎は “エレメント” ということになる。

 

・本音と建前

こそうし「真実を知ることができますように」
 フロロ「お兄ちゃん、なにお願いしたの」
こそうし「ずっと一緒にいられるようにって」
『THE BEYOND』2話

 『EXODUS』5話で一騎が七夕の短冊にまず「生きたい」という本心を書いたがボツにして、「島が平和でありますように」という当たり障りのない願いを書いていた。こそうしも一騎も本心からの願いがかなった。

 

・偽竜宮島の島民

 学校とこそうしの下校時の町にはフロロ(乙姫)、マリス、レガート(道生)、セレノア(弓子)以外の島民の姿は描かれていなかった。夕刻、放送が流れる場面では町の様子が映されるが、その中に島民の姿はなかった。こそうしとその家族、友人のマリス以外の島民の姿が描かれたのはこそうしの父親が(レガート)が帰ってきた港とお祭りの場面だけだった。

 『THE BEYOND』1巻のブックレットの中で偽竜宮島の島民に扮しているのはグレンデルB型だと明かされていたが、その記事の中に以下のような一文があった。

マレスペロの支配下にある限り、その意思に抵抗することはできない。

 島民はノンプレイヤーキャラクターに近い存在であるため、こそうしにとって家族と友人のマリス以外の姿がないと辻褄の合わない場面にのみ姿を現す存在であり、竜宮島町内会の放送とはマレスペロから島民への指示だったのではないだろうか。

放送「まもなくベノンの軍艦が沖を通過します。
   海に出る方はご注意ください」

放送「まもなく向島大橋を船舶が通過します。
   橋の通行止めにご注意ください」
『THE BEYOND』2話

 この放送ではレガートがベノンの軍艦で偽竜宮島の沖に到着し、漁船に乗り換えて偽竜宮島に帰還するということを島民に知らせているのだろう。レガートは偽竜宮島の港についた時セレノアにこう言っていた。

レガート「無事戻りました」
『THE BEYOND』2話

 レガートは島の外の世界でベノン軍の指揮官として戦いつつ(※1)、漁師であるこそうしの父親として時折、島に戻ってくるという生活をしていたのではないだろうか。

放送「本日、不審者が目撃されました。
   子どもたちは知らない人を見たら大人の人に教えましょう」
『THE BEYOND』2話

 こそうしが校門で見知らぬ人を見かけたという話をしていたので、島民に侵入者を探す指示が出た。

放送「侵入者が発見されました。
   力を合わせて捕まえましょう」
『THE BEYOND』2話

 放送で侵入者を排除する指示を出したため、お祭りにいた島民が次々とこそうしのいる常夜灯に集まってきた。

 

・一騎の本心

 こそうしを追って、常夜灯にフロロがやってきた。フロロは一騎に話しかけたが、一騎はフロロと話す間はずっと目を閉じていた。島民に扮していたフェストゥムが攻撃してきたため、同化する時、一騎は目を開いた。フェストゥムを同化した後、一騎はこそうしをファフナーのコックピットに連れ去ったが、その時も目を閉じていた。その後、こそうしと一騎を追ってフロロがボレアリオスの甲板に来た時、こそうしはフロロを見ていたが、一騎はフロロとは顔を合わさず、後ろを向いて話した。

 一騎「お前たちの島はもうすぐ沈む」
フロロ「私たち、平和に暮らしていたのに」
 一騎「大勢の人から大切なものを奪って作ったお前たちだけの平和だ」
『THE BEYOND』2話

 フロロと話して終わった後、一騎は振り返ってフロロを同化したが、こそうしが結晶と化したフロロに駆け寄る時、一騎は目を閉じていた。

 親としてやらなければいけないこととは言え、こそうしが妹の乙姫だと信じていたフェストゥムを消すことは一騎にとっても心苦しい行為だったのだろう。

 

・泣くフェストゥム

フロロ「お家に帰ろう、お兄ちゃん。
    お兄ちゃん」
『THE BEYOND』2話

 フェストゥムに中枢神経を同化された甲洋が泣く姿を見て、史彦は「フェストゥムは泣かない」(※2)と言い、これまで泣いたフェストゥムは甲洋(一期20話)と来主操(『HEAVEN AND EARTH』)の二人のみだった。こそうしを追いかけてボレアリオスの母艦にやってきたフロロは泣いていた。

フロロ「感情を学んだのよ。
    最初はマレスペロの命令だったけど。
    今は本当の家族だと思ってるの」
『THE BEYOND』2話

 偽竜宮島で人間であるこそうしと一緒に暮らしているうちにフロロは感情を学び、獲得したのだろう。

 

・簒奪者

 子供の頃、「あなたはそこにいますか」と問いかけた後、同化を迫った総士に対して、反撃した一騎は総士の左目を傷つけ、視力を奪った。その時、一騎は総士からこう言って責められると思っていたはずだ。

こそうし「返せ、乙姫を返せ。
     乙姫を返せ」

こそうし「殺してやる。
     お前を殺してやる」
『THE BEYOND』2話

 しかし、総士は転んで怪我したと言ったため、一騎が責められることはなかった。

 総士から大切なものを奪った一騎は転生した総士(こそうし)からも大切なものを奪う者になった。一騎は偽竜宮島に閉じ込められたこそうしに真実を教えるため、乙姫の姿をしたフロロを同化して妹を奪ったのだ。

 総士の時は不慮の事故であり、大切なものを奪うという自覚がないまま、総士の左目の視力を奪った。それから15年後、一騎はこそうしの時は妹を奪うことでこそうしの心を傷つけ、その怒りが自分に向けられることを自覚した上で妹を奪った。

 

※1 『THE BEYOND』第1~3話のパンフレットのレガートの項には「ソルダート化された元人間の兵士を指揮している」という一文がある。

※2 一期20話、史彦の台詞。