2022年5月に『THE BEYOND』第1~12話を見直した時の感想をまとめました。
●「THE BEYOND」1話
『EXODUS』は物語の冒頭で示されたのは総士の行く末だけだったので、先が見通せなかったけど、『THE BEYOND』は物語の冒頭、言葉でテーマを提示していたので見やすかった。
甲洋「それが死だ、フェストゥム。
死を学びたい者から来い」
里奈「ごめん、暉」
セレノア「自らの存在を消そうとした」
『THE BEYOND』1話
史彦が作戦の結果を言葉で表現していたので、『THE BEYOND』1話は自分の記憶よりも絶望的な状況で終わっていたと感じました。
史彦「作戦は失敗した。
挽回の術を探そう。
さもなくば、世界も我々の故郷も滅びる」
『THE BEYOND』1話
●「THE BEYOND」2話
マリス「お前の言う通りだ、総士。
敵が来たら戦わないといけない」
『THE BEYOND』2話
2022年5月にこの言葉を聞くと、以前見た時には感じられなかった言葉の重みを感じました。私がこの言葉の裏にある意味を理解したのは、『THE BEYOND』2話を見た後にブルース・ディッキンソン『ブルース・ディッキンソン自伝』(シンコーミュージック)を読んだ時です。
●「THE BEYOND」3話
セレノア「マレスペロの元で群れを整えてから
あの子を取り戻すべきだ」
『THE BEYOND』3話
セレノアがこそうしのことを名前ではなく「あの子」と表現していることから、こそうしに対して家族としての情はなかったと思われる。(こそうしはセレノアが家族としての情を持っていないことに気がいたので、『THE BEYOND』9話でセレノアに「黙れ、偽者」と叫んだ)偽竜宮島に住んでいた時、こそうしに情を持っていたのは、家にいる時はずっと一緒にいたフロロと家にいる時以外はずっと一緒にいたマリスの二人だけである。
美羽はまずこそうしが海神島に住んでいた頃のやり方でこそうしと接した。
美羽「小さい頃、こうしてたくさんお話したの、覚えてる?」
『THE BEYOND』3話
しかし、こそうしは美羽のことを覚えていなかった。そのため、美羽は初めて会う人としてこそうしに接した。
美羽「海の上に出る合図だよ。
一緒に見よう、総士」
『THE BEYOND』3話
●「THE BEYOND」4話
『THE BEYOND』は二つ目のテーマ(教える、学ぶ)も言葉で提示した。
剣司「いえ、俺達が敵だと教育されたんです」
『THE BEYOND』4話
マレスペロ「この方が戦いを学びやすい」
『THE BEYOND』5話
●「THE BEYOND」6話
真矢「自分がここにいたことを忘れてほしくないだけ」
『THE BEYOND』6話
この世にいなくなった人のことを覚えている人がいなくなった時、その人の存在はこの世から消える。そのため、いなくなった人は生きている人に自分を覚えていてほしいと思っている。
●「THE BEYOND」7話
零央「思い上がるな。
何か気づいたら言え。
彗が作戦を立てる。
全員で戦う」
『THE BEYOND』7話
ファフナーでの戦闘は「パイロットが得た情報をシステムに集め、その情報を元にシステムの担当者が作戦を立てて、パイロットに知らせる」という形になっているので、人間がミールとフェストゥムの関係を利用していることから、零央の考え方はフェストゥムに近くなっています。
これに対して『THE BEYOND』11話、一騎は甲洋の「マレスペロのコアがいる気をつけろ」という言葉に従うことなく、敵に突っ込み、操は容子を守るために一騎の「逝くな」という言葉に従うことなく、フェンリルを起動しました。一騎や操といったフェストゥムの方が人間的な考えを持っています。
●「THE BEYOND」8話
咲良「フェイがね、ファフナーに乗ってパパとママの仇を打つって。
まるで昔の私みたい」
剣司「咲良」
咲良「そんな日が来ないようにして」
『THE BEYOND』8話
咲良はフェイの姿を見て、自分の経験を引き継がせない、つまり負の連鎖を断ち切ることを願った。
●「THE BEYOND」9話
こそうし「僕は許さない。
こんなの。
絶対マリスに思い知らせてやる」
『THE BEYOND』9話
こそうしは戦いが終わった後、「マリスの友人だったこそうしがいなくなる」という形で、マリスに罰を与えた。
●「THE BEYOND」11話
セレノアは『THE BEYOND』1話で自らの存在を消そうとした里奈の行動に驚いていたが、レガートがいなくなった後、里奈と同じ行動を取った。
セレノア「レガート。
お前だけを逝かせはしない」
『THE BEYOND』11話
この時、セレノアは「自らの存在を消そうとした」時の里奈の感情を体験することで理解したのです。
●見終わった時の感想
『THE BEYOND』12話を見終わった時、混乱してしまったのですが、その理由が判明。『THE BEYOND』12話の竜宮島のパートは人間の視点で見ているという作りになっているにもかかわらず、私は物語の終わりを知っている上に、フェストゥムの視点で物語を見ているという状態だったのです。そのため、『THE BEYOND』12話の竜宮島のパートを人間の視点とフェストゥムの視点をごちゃまぜの状態で見ていたのです。
『THE BEYOND』の最終的なゴールは、この物語を人間とフェストゥムの両方の視点から見られるようになることだと思います。
台詞の意味を読み取るのが難しかったシーンは、『THE BEYOND』2話の家でこそうしとマリスを含む家族との会話、『THE BEYOND』6話の容子と操の会話、『THE BEYOND』12話の一騎と真矢の会話でした。人間とフェストゥムの会話を理解するのが難しい。