ニコ生「蒼穹のファフナー」第5、6話感想

2015年7月21日22:00~ ニコニコ生放送

 twitterの感想をまとめたもので、誤字、脱字を修正しました。twitterの元発言は全て削除済み。

 

 一人で見るのがキツイのは6話までで、7話以降は見られる。

 一期終わった後に劇場版をやってほしいなあ。前回は変なタイミングでやったから。

 ニコ生、5、6話終了。初見時はポカーンだったけど、今は最適解を探してしまうので、すごく冷静に見てしまう。1クール目はTV放映を見ていないので、買って見ていたのだから、なかなか勇者である。

 5話で気になったのは「ソロモンの予言です」と「ソロモンに応答あり」の二種類が使われていて、言い方が統一されていない点。あとはヘスターのセリフ回しがぎこちなくて気になる。

 

容子「新国連は一体何のために…。あっ、まさか」
史彦「その可能性は高いと思う」
容子「このことは遠見先生には」
一期5話

 ミツヒロが関係していると言いたいのかなあ。今でも意味のわからない会話。

 

 一騎は「自分が総士の左目を傷つけたせいで、総士はファフナーに乗れない。なら代わりに自分が戦う」というところからスタートしているけど、さすがに二回続けて命令違反というのは脚本上でうまく処理できなかったと捕らえてしまう。

 総士の命令するままに戦ったけど、命令が納得できない時は自分の意見を通したとするなら、命令違反は1回だけにすべきで、2回はくどい。

 一騎は何も考えず、ただ総士の命令に従って戦ってきたけど、その命令に疑問を抱くようになり、狩谷先生の「外の世界を知ってるもの」という言葉が次の一騎の行動、すなわち「島の外に出る」へのトリガーとなる。

 シリウス版で一騎は「…総士が知っていると思う。敵に勝つ方法を。俺は、それに従えばいいだけだから」と言っているんだよね。それだけに4話~6話の戦闘をシリウス版でどう描くかにとても興味がある。

 1クール目のプロットに不満はないんだけど、そこに持って行くまでの過程がうまく描けていないので、見ていてもったいないという気持ちになる。

 6話までで言うと、一騎をめぐる真矢、翔子、甲洋の関係と総士と真矢の関係はうまく描けていると思う。が、肝心の一騎と総士の距離感と関係が描けていない。男女関係を理解して描くことができても、この二人の関係はあまりにも特殊すぎて理解できなかったのだと思う。

 一騎と総士の関係は一期16話~『HEAVEN AND EARTH』~『EXODUS』を見ると、うぶちん以外には書けないと思う。

 しかし、翔子の「一騎くんの島」という言い方は、芹ちゃんの「乙姫ちゃんの島」を思い出す。翔子同様、芹ちゃんの変性意識も怖い。

 うぶちんの小説だと同性の濃いパートナーというのが描かれているので、うぶちんの個性なんだと思う。シュピーゲルでは男女の関係を描こうとしている節がある。

 1クール目で一騎と総士の距離感がわかっていないと思った台詞は3話の有名な「僕たち二人なら飛べるさ、そう思うだろう」である。20話まで見た後に3話を初めて見たんだけど、反応に困って唖然としてしまった。

 14話~20話まで見たあとにDVDの1巻を買って1話~3話を見たんだけど、設定が頭に入っているだけに、脚本の欠点がよく見えてしまった。1話を見た感想は「オンエア時に見たら確実に1話切り」である。

 今みたいにビデオリリース前に課金すればネットで見られるという時代ではないので、ネットで13話までのあらすじとか感想は読みまくっていました。そうしないとさすがに話についていけない。DVDの解説が充実していたので、途中参加組としてはDVDを買ってよかったと思います。

 7話からはプロットの段階での話の密度が上がるので、疑問符が浮かぶのは翔子の死をめぐる周囲の反応のみ。

 1話から甲洋と翔子の関係を描き、6話を受けて7話と8話一騎と甲洋の関係が変わったことが描かれていたので、9話の甲洋は6話の翔子のような唐突さは感じられない。やはりキャラクター描写の積み上げは大事だと感じる。

 一騎は自己否定が強く、他人から好意を寄せられていても全く見えない。だから、小説とシリウス版のように甲洋と真矢から翔子をお願いと言われる描写が必要。

 真矢の怒りの矛先はどこへ行くのだろう。アニメ同様静かに受け止め、ドラマCDで描かれたように翔子の墓と噂の真実を知った結果、総士に向かうのかな。

 6話について思うところがあるのは、シリウス版で現在、小説とドラマCDのエピソードを持ってきて翔子について積み上げ中だから。最近、翔子についてのエピソードを積まれた後に6話の悲劇が来るとちょっとキツイと思い始めている。

 シリウス版で一騎は真矢と甲洋から「翔子を守って」と言われているんだよなあ。これを受けて6話の悲劇が起きた後、アニメで描かれたように仲の良かった一騎と甲洋は険悪なムードとなる。そして、戦闘では甲洋は一騎とは違い絶対に友達を守るという信念を貫くという流れなので理解しやすい。

 TSで5話、6話をもう一度見た。6話はゼクスに乗る前に羽佐間親子は話す場面がいろいろ唐突すぎて、5話までにそこに行くまでの伏線をばらまいて欲しかった。

 翔子の「私たち、生まれた時から戦うことが決まってたんでしょ」という台詞は、ドラマCD「GONE/ARRIVE」での一騎の台詞「あいつらを倒すために俺を育てたんだろ、父さん」と同じ意味を持たせたかったんだろうけど、容子と翔子の親子関係の描写不足で、ポカーンとなってしまった。

 容子と翔子は血の繋がっていない親子なので、二人の関係を描いていれば、一騎の時以上の衝撃を与えられたはずなので残念。血の繋がっていない親子では春日井夫妻と甲洋の方がうまく描けていた。それでも小説及びシリウス版に比べると描写不足は否めない。

 6話で翔子が犠牲になるというプロットならば、翔子周辺の人間関係だけでも綿密に描いてほしかった。

 ファフナーは対になった関係が多いけど、血は繋がっていないけど親子関係がうまくいっている羽佐間家と子どもをファフナーのパイロットとしかみてない春日井家は対比して描きたかったんだろうなあ。

 うぶちんが参加する前は脚本家が書きやすい部分と理解できず書けなかった部分がはっきりしていて、正直プロの仕事とは思えない。

 準備期間が短かったので、設定の多くを作ったうぶちんの意図(ロボットアニメの定番を外している部分がある)をアニメのスタッフが完全に理解できなかったんだろうなあ。

 7話もうぶちんが後に補完する羽目になった問題のある場面があるけど、この話数の空気感は好きです。翔子の死がどれほど同級生に衝撃を与えたのかがよくわかる。

 翔子はTVシリーズの放映終了後、すぐに刊行された小説版でショックを受けたのを今だに引きずっています。それ以来、もうちょっとうまい見せ方があったんじゃないかと思い続けています。

 3話で「僕たち二人なら飛べるさ、そう思うだろう」と言わせて、二人の距離感に違和感を感じさせた後、真矢から「そんなに一騎君の気持ちに入り込みたいの」と突っまれるんだから、脚本を書いた人は二人の心の距離が理解できていないと感じる。

 一期は総士は「一騎ならわかってくれる」、一騎は「総士の言うことに従う」というところからスタート。しかし、5年間二人が一切話さなかったことは大きく、ただ総士の言うがままに戦ってきた一騎は総士の言動に不信感を抱き、総士を理解するために島を出る。

 総士→真矢は後半よりわかりやすく描けていると思うので、この二人の関係は理解しやすかったんだろうなあ。