最後の問い

 私は『THE BEYOND』12話、海に流した総士の灯籠と同じ意味を持つものを見た時、物語の中に入り、登場人物と同じ視点で『ファフナー』を見られるようになりました。

 それから5年半後、私は『THE BEYOND』12話、竜宮島に帰った時、史彦が自宅で手にした人形と同じ意味を持つものを見た時、物語の外に出て、再び一視聴者の視点で『ファフナー』を見られるようになりました。

 『ファフナー』を理解した後、「なぜ私は『蒼穹のファフナー』でこんな経験をしたのか? 私にとって『蒼穹のファフナー』とは何だったのか?」という疑問が残りました。その答えは「私は物語の中に入り、10代の時に経験したことを再体験することによって、10代の時に経験したことを理解した」でした。それでは私が10代の時に経験したこととは何か? それは死を理解することでした。

 『蒼穹のファフナー』は死を知らない人が、死を体験することによって、死を理解する物語だったのです。