【物語の読み方】主人公は誰なのか?

 ポスト「HEAVEN AND EARTH」Part1 で、『蒼穹のファフナー』という物語全体の主人公は真矢という結論を出したにもかかわらず、最後まで「『蒼穹のファフナー』という物語全体の主人公は真矢なのか? それとも一騎なのか?」と問い続けました。『蒼穹のファフナー』全体の物語の構造分析が終了したので、この問いに対する答えを書いていこうと思います。

 

 ポスト「HEAVEN AND EARTH」Part1 で書いたように、『EXODUS』と『THE BEYOND』は真矢を『蒼穹のファフナー』という物語全体の主人公にしました。

 ノベライズで偽装鏡面が解除される瞬間を見たのは総士、一騎、真矢、甲洋、蔵前、翔子でしたが、一期1話で偽装鏡面が解除される瞬間を見たのは真矢だけでした。

 つまり、物語開始時から『蒼穹のファフナー』の主人公は真矢だったということになります。しかし、真矢はファフナーに乗るのが一期19話と遅かったことから、一期と『HEAVEN AND EARTH』で成長していく姿は描かれませんでした。そのため、『EXODUS』と『THE BEYOND』で大人になっていく真矢の姿を描くことによって、最終的に真矢を主人公にしたのです。

 しかし、『THE BEYOND』12話冒頭、一騎は竜宮島の偽装鏡面が解除される瞬間を見ました。つまり、この時、『蒼穹のファフナー』という物語全体の主人公は真矢ではなく一騎だったということになります。

 以上のことから、「『蒼穹のファフナー』という物語全体の主人公は真矢なのか? それとも一騎なのか?」という問いに対する答えは「『蒼穹のファフナー』という物語全体の主人公は真矢だった。しかし、『THE BEYOND』12話冒頭で主人公は一騎に変わった」でした。この答えを見た後、以下の問いが頭に浮かびました。

いつ主人公は真矢から一騎に変わったのか?
なぜ主人公は真矢から一騎に変わったのか?

 この問いに対する答えはネタバレが含まれているので、ここには書くことはできません。私はこの二つの問いに対する答えを出した時、「『蒼穹のファフナー』という物語全体の主人公は真矢なのか? それとも一騎なのか?」という問いに対する最終的な答えを出すことができました。

『蒼穹のファフナー』は世代交代の物語でしたが、その中には主人公も含まれていました。そのため、『THE BEYOND』12話冒頭で『蒼穹のファフナー』という物語全体の主人公も真矢から一騎に交代したのです。