【蒼穹のファフナー EXODUS】永訣の火-補足

 カノンに与えられた選択肢は一期17話も『EXODUS』17話も死が世界を救う道、生は世界の破滅であり、自らの命と世界の命運を秤にかけるという重い運命を二回背負わされた。

 

 一騎「お前、なんでこんなことするんだ」
カノン「理由などない、命令だ」
 一騎「命令?
    自分で決めたんじゃないのか。
    命令されたら何でもやるのか」
カノン「そうだ」
一期17話

 この時、カノンの生殺与奪の権利を握っていたのは司令官だった。人類軍の兵士だったカノンは命令された内容には何の疑問も持たず、その命令をただ忠実に実行するだけだった。カノン自身は意識してなかったが、カノンの死=竜宮島の消滅=世界を救うことという構図になっていた。もっともカノンが命令通り、自らの命とともに竜宮島の消滅させた場合、人類は遠からずフェストゥムに敗北しただろう。

 

 織姫「選びなさい。
    命の使い方を」
『EXODUS』16話

 一方、『EXODUS』17話で生殺与奪の権利を握っていたのはカノン自身だった。自分で生死を決められるようになった結果、カノンの死=世界を救うことという構図は一期17話と同じだったが、カノンが生死を自分の意思で決められるようになった結果、カノンの死=竜宮島の竜宮島の消滅から存続へとひっくり返った。さらにカノンの生殺与奪の権利を第三者が握っている時、カノンが命令通りに命を使ったとしても世界を救うどころか世界の破滅を招いたが、カノン自身が生殺与奪の権利を握り、自分の意思で命を使うことを選んだ場合、世界が救うための道筋を作ることができた。『ファフナー』は一期から一貫して自分の人生は人任せにせず自分で決めるものだということを描き続けている作品である。

 


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