【蒼穹のファフナー EXODUS】元人類軍兵士

溝口「お前も人が良すぎるぜ。
   使い捨てにされた兵士を全員受け入れてやるなんてよ」
史彦「彼らがそれを望んでいた。
   拒む理由もない」
一期18話

 竜宮島に取り残された元人類軍の兵士を受け入れるという史彦の決断は溝口にさえ呆れられた。だが、彼らは『EXODUS』において竜宮島が存在し続けるために力を尽くした。

 

 ナレイン将軍がもたらした情報により、竜宮島は未来を掴むためにアルタイルの奪い合いに参加することを選び、美羽をシュリーナガルに派遣した。しかし、美羽が着いた日の夜、シュリーナガルはフェストゥムに攻撃され、町は壊滅。島外派遣部隊はペルセウス中隊と生き残ったシュリーナガルの住人と共にダッカを目指したが、ダッカを目前にして人類軍からの攻撃を受けた。シュリーナガルの住人は人類軍からも受け入れを拒否されたため、一行はユーラシア大陸を横断して竜宮島に戻り、その後、ペルセウス中隊と生き残ったシュリーナガルの住人は新天地を目指すことになった。シュリーナガルから竜宮島に帰るための道を作ったのは史彦が受け入れた人類軍の兵士だった。

 ダッカの目前の人類軍の攻撃された際、オルガは負傷した。目的地がダッカではなくなったため、最新の情報を伝えるために竜宮島に高速機を飛ばすことになり、オルガは竜宮島に帰ることになった。だが、竜宮島の目前にして高速機はウォーカー率いるフェストゥムの攻撃を受けた。オルガがすべてのデータを竜宮島に送った後、オルガの乗った高速機は撃墜された。高速機が撃墜される前に彗がオルガを引き寄せたが、傷がひどくすでに事切れていた。だが、オルガが撃墜される前にすべてのデータを竜宮島に送ったことで、竜宮島は以下の情報を得ることができた。

史彦「派兵部隊とエスペラントは北西へ転進。
   島も合流を図る。
   問題は敵の追跡能力だ」
澄美「報告データによれば人になりすました存在が。
   情報を敵に伝えているらしいとのこと。
   遠く離れた敵同士が連携し、
   今回帰還した人々を狙った可能性があります」
『EXODUS』16話

 だが、オルガが竜宮島にもたらした情報だけでは島外派遣組との合流は不可能だった。竜宮島は別のアザゼル型フェストゥム、ウォーカーに追われていた上に、この時点で島外派遣部隊が向かった正確な場所は明らかにされていなかった。島外派遣部隊と竜宮島が合流するために必要な情報をもたらしたのは、元人類軍兵士のカノンだった。カノンは未来を見るSDPを使って、竜宮島を追い続けるフェストゥムの正体、敵と戦うために必要な新型ファフナーの設計(※1)、島外派遣部隊と竜宮島との合流地点(※2)という情報を竜宮島にもたらした。だが、カノンが竜宮島に必要な情報をすべてもたらした直後、同化現象に襲われ、いなくなってしまった。

 

 『EXODUS』でオルガとカノンは自らの命を使って竜宮島を守ったことを考えれば、総士が竜宮島に閉じこもるのをやめ、島の外の世界の住人と対話する道を選んだのは至極当然のことである。

総士「ただ閉じこもり、自ら対話の道を拒むと言うなら
   今の僕はその選択を、この島のあり方を否定する」
ドラマCD『THE FOLLOWER2』

 しかし、オルガとカノンが竜宮島を守るために奮闘した時、総士はその場にいなかったので、直接は知らない。だが、総士はオルガとカノンの仕事について言及している。

総士「オルガさんが届けた情報から推測した。
   ありえないことだが。
   他に考えられない」
『EXODUS』21話

総士「交渉の術はある。
   そのために機体について話したい。
   カノンはブルクか」
『EXODUS』22話

 総士はオルガとカノンが行ったことを踏まえた上で、ドラマCD『THE FOLLOWER2』で対話を拒否して閉じこもり続けることを否定したのかもしれない。

 

※1 『EXODUS』18話、カノンが行った仕事はアルヴィスの会議で明らかにされている。

※2 『EXODUS』20話、カノンは島外派遣部隊との合流地点を書いた紙を麦わら帽子の中に残し、フェストゥムである甲洋に託した。