こそうしにとって、自分の名前が皆城総士であることはどんな意味を持っていたのだろうか。
・乙姫と織姫
竜宮島に新しく生まれたコアは以前のコアと別人として見てもらえるように別の名前をつけさせた。
織姫「あなたがわたしを名づけなさい」
『EXODUS』6話
織姫「で、あなたは私をどう名付けるの」
芹「ええっと。
皆城、織姫ちゃん」
『EXODUS』8話
しかし、新しく生まれたコアの見た目は以前のコアと同じであるため、別の名前を名乗っても、以前のコアと同一視する人が跡を絶たなかった。
織姫「でもファフナーは戻して。
もういない人より大事な存在だから」
ベラ「人よりファフナーが大事」
史彦「以前のコアなら決して言わなかった」
織姫「わたしは皆城乙姫じゃない」
『EXODUS』16話
・もう一人の皆城総士
【それは僕の名前だ】
総士は島の人々が自分に別の人物の面影を見ていることを知っていた。
『THE BEYOND』3巻ブックレット
こそうしはマークニヒトに乗った時、かつて自分と同じ名前を持つ人物がいることを知った。
総士「僕の名は皆城総士。
君がこれを聞くとき、もう僕はこの世にいないだろう」
『THE BEYOND』3話
その後、こそうしは夢の中で自分と同じ名前を持つ人物が、もう一人のあなたであることを知った。
朔夜「器の中のもう一人のあなたの声を聞いて」
『THE BEYOND』5話
こそうしは鈴村神社を訪れ、自分と同じ皆城総士という名を持つ、もう一人のあなたの写真を見た。
こそうしは自分の名前が皆城総士だったことで、こそうしは海神島の人に聞くことなく、皆城総士という名を持つ人物が左目の傷以外は自分と同じ顔をしていたことを知った。こそうしは自分ひとりの力で海神島の人々が自分を通して見ている別の人物を知ることができたのである。
・真矢
こそうしの中に別の人物の面影を見ていた島の人物として描かれたのは真矢だった。真矢はこそうしに総士の面影を見ていることを悟られないため、こそうしには厳しい態度を取った。
真矢「離れなさい。
おとなしくして。
でないと拘束する」
『THE BEYOND』3話
真矢「従いなさい。
あなたのために」
『THE BEYOND』3話
真矢がこそうしに総士の面影を見ていた時、真矢はこそうしのことを「あの子」と呼んでいた。
真矢「たとえ憎まれても二度とあの子を敵の側へは行かせない」
『THE BEYOND』3話
真矢「あの子、一騎くんをとても憎んでる」
『THE BEYOND』4話
こそうしが海神島に戻った後、真矢はこそうしを銃で脅した。
真矢「覚えときなさい。
もしまたファフナーで私たちを襲ったら、
私があなたを撃つ」
『THE BEYOND』4話
真矢はこそうしに真矢との距離を開けさせた。その結果、こそうしは真矢に対して距離の空いた言葉遣いをするようになった。
こそうし「遠見さんにお願いがあります」
『THE BEYOND』5話
真矢はこそうしに総士の面影を見なくなった時、こそうしのことを「総士君」と呼ぶようになった。
史彦「君の手製かね」
真矢「いいえ、総士君が」
『THE BEYOND』8話
真矢「総士君を行かせるの」
『THE BEYOND』9話
海神島の人々にとって、マークニヒトの中にいた赤子の名が皆城総士だったことで、こそうしを通して今はいない皆城総士の面影を見ていたが、こそうしにとって皆城総士という名は、海神島の人々が自分を通して見ている人物を自力で知ることができたという利点があった。