「蒼穹のファフナー THE BEYOND」第7~9話の感想 Part1

 『THE BEYOND』第7~9話の公開1週目の感想です。

 

・レガートと一騎

 偽竜宮島でのこそうしの父だったレガートが乗っているファフナーの機体名は Mk-Eins-re:Specter で、海神島でこそうしを2年間、育てた一騎が『THE BEYOND』7話で生み出したザルヴァートルモデルの機体名が Mk-Alles。こそうしの二人の父の機体が Eins と Alles ということで思い出したのが、ワーグナーの楽劇『ジークフリート』第3幕ラストのジークフリートとブリュンヒルデの二重唱の中に出てくる「Ein und All’」という言葉。こそうしの二人の父であるレガートと一騎は表裏一体なのかもしれない。

 

・一騎

総士「これでこの島を守ってほしい」
一期1話

 この後、一騎が乗った機体はマークエルフ、11番機だった。機体名は総士の「士」である。

 

一騎「(総士は)俺が止める。そのための強い器がほしい」
『THE BEYOND』6話

 この後、一騎がザルヴァートル化した機体名はマークアレス、全能だった。機体名は総士の「総」である。

 

一騎「俺はただ、総士ともう一度、話がしたいだけだ」
一期15話

 この後、一騎が特異現象を起こして生まれたのが、マークザインであることを考えると、一騎は物語開始時から一貫して総士のために戦っていたということになる。

 

・迎える側へ

 『THE BEYOND』7話、戦闘終了後、ファフナーから降りた総士の目に入ったのは操を迎える容子の姿だった。次に目に入ったのがショコラに挨拶をする甲洋の姿だった。こそうしが自分には迎えてくれる人がいないと言った直後、真矢の声が聞こえ、こそうしは真矢の後を追った。その先で見たものは母を失った真矢の姿だった。こそうしは家に帰ると、夕食を作り、真矢を出迎える側に回った。

 こそうしがアルヴィスを出て、遠見家で暮らすと決めた時、千鶴は無条件でこそうしを受け入れてくれたのではないだろうか。

 総士は真矢をいつも泣かせていたが、こそうしは総士にはできなかった真矢を笑顔にすることができた。

 

・居場所

 こそうしは海神島に連れ戻された後、ルヴィからこう言われた。

ルヴィ「無力で無知で、だれともつながらず、
    ただそこにいるだけで存在しない」
『THE BEYOND』4話

 これを象徴するかのように、誰もいないアルヴィスの廊下が描かれていた。

 こそうしはルヴィの言葉に従い、力と知識を身に着け、アルヴィスの外に出て人々と交わり始めた。その結果、こそうしが自分の居場所を獲得したことを表すかのように、『THE BEYOND』9話、ベノンの追跡手段が判明した後、こそうしがいるアルヴィスの廊下には人々が集まってくる様子が描かれていました。

 

・総士とこそうし

 こそうしはマークニヒトに特異現象を起こした後、心は存在と無の地平線に飛ばされ、一騎が助けに来た。この時、こそうしの向こうの無の中に総士の姿が見えましたが、このシーンは1年ほど前、私が総士とこそうしを別人だと認識する時に使ったイメージと全く同じでした。

 

・ガンダムネタ

 『THE BEYOND』第1~3話、第4~6話はともにファーストガンダムを思い出す場面がありましたが、今回は零央の「バカ弟子が来る前にケリつけないとな」という台詞を聞いて、『機動武闘伝Gガンダム』の東方不敗を思い出しました。

 

 

P.S. この1年で『THE BEYOND』の物語構造を完全に把握してしまい、『THE BEYOND』第4~6話の時以上に書けないことの方が多くなってしまいました。