「蒼穹のファフナー THE BEYOND」第4~6話PVの感想 Part1 の続きになります。記事はすべて『THE BEYOND』1巻の発売前に書いたものです。
『THE BEYOND』第1~3話の内容にも触れています。
・猫
『THE BEYOND』第4~6話PVで操が猫を抱き上げてスリスリしていたが、一期20話でカノンが猫を撫でていた。
・一期と「THE BEYOND」
「蒼穹のファフナー THE BEYOND」第4、5、6話のPVの感想 Part1/転校生で『THE BEYOND』は一期16話以降の展開と対になっていると指摘したが、それは台詞からも明らかである。
いかなる状況であってもコアは島に帰ってきた主人公を迎え入れる。
ルヴィ「よく戻りました」
『THE BEYOND』3話
乙姫「おかえり」
一期16話
こそうしの台詞と候補生の中でただ一人、パイロットになれなかった真矢の台詞が重なる。
こそうし「どこにいればいいかわからない」
『THE BEYOND』第4~6話PV
真矢「あたしはどこにいればいいんだろう」
一期17話
真矢は皆と同じパイロットになることで居場所を見つけたが、家族と離れ離れになってしまったこそうしはどういう形で自分の居場所を見つけることになるのだろうか。
・エレメントの眼鏡
『EXODUS』、『THE BEYOND』の作中で金眼になったシーンが描かれた一騎とこそうしは眼鏡を掛けず、『EXODUS』と現時点で公開されている『THE BEYOND』の作中で瞳が金色になったシーンが描かれていない甲洋と操が眼鏡を掛けているのがミソ。
・コア-選ばせる者-
コアとは常に人間に問いかけて、選ばせる存在である。
ルヴィ「あなたがいると定めた場所があなたをあなたにするのです」
『THE BEYOND』第4~6話PV
乙姫「あなたはそこにいる?
それともいなくなりたい?」
一期14話
フェストゥムこの世界に存在することはもはや明白なことであるため、ルヴィはそこからは一歩進め、こそうしに自分がいるべき場所を選ばせてようとしている。こそうしはフェストゥムであるため、ルヴィはフェストゥムに人間のいない世界と人間と共存する世界のいずれかを選ばせようとしているのである。
・カノンとこそうし
竜宮島に来た時のカノンと海神島に来た時のこそうしの状況を比較してみた。
カノン | こそうし | ||
故郷の様子 | ダブリン 4年前になくなった(※1) |
偽りの竜宮島 アルヴィスによって滅ぼされた |
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家族 | いない | 本物の家族:いない 偽物の家族:妹は同化された 両親は存在している |
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友達 | フェストゥムに食われた | 存在している | |
今いる島 | 私はこの島の者ではないから(※2) | ここにいたことはわかる(※3) |
真矢はパイロット候補生の中で自分だけファフナーに乗れなかったために疎外感を味わい、カノンは自分だけがノートゥング・モデルに乗れないことで疎外感を味わった。
真矢「みんなと同じものを見られた嬉しさ」
一期19話
カノン「私も皆と同じになりたい」
一期22話
人類軍の兵士として竜宮島にやってきたが、一騎の説得により作戦を放棄した後、竜宮島にとどまった。しかし、その後、ルヴィの問いかけに答えるかのように自分で自分の居場所を決めた。
ルヴィ「あなたがいると定めた場所があなたをあなたにするのです」
『THE BEYOND』第4~6話PV
カノン「私はここにいることを、この島にいることを、選びたい」
一期22話
こそうしはどのように自分のいる場所を選ぶのだろう。
・こそうしと来主操
ボレアリオス・ミールのコアである来主操は空母・ボレアリオスという住むべき場所がありながら、PVを見ると平和な時には海神島で人間と暮らしていたようである。一方、こそうしは人間でありながら偽竜宮島でフェストゥムと暮らしていた。来主操は人間と暮らすフェストゥム、こそうしはフェストゥムと暮らしていた人間ということで対照的な存在である。
・こそうしとマークニヒト
ミールのかけらを内蔵しているファフナーに乗る場合、パイロットは機体と一体化すること求められるが、それは人間がミールのかけらと一時的に同化することでフェストゥムに擬態している状態だと言えるだろう。新国連が作ったマークニヒトはフェストゥムに奪われ、使役されたため、ファフナーの形をしたフェストゥムともいうべき存在になってしまった。そのため、総士はマークニヒトと一体化することなく、「虚無の申し子」と名付け、自分とは別の存在として扱った。
こそうし「お前は僕のものだ。マークニヒト」
『THE BEYOND』第4~6話PV
こそうしもマークニヒトを “お前” と呼んでいることから、こそうしが生まれ変わらせた後もパイロットとは一体化せず、”個” を持ち続けている思われます。。
マークニヒトに内蔵されたミールのかけらが “個” を持ったことでフェストゥムとなり、パイロットと一体化することが不可能になってしまった。つまり、マークニヒトは “個” を持った結果、人間とフェストゥムが一緒に戦うファフナーに変化したということになる。マークニヒトの有り様は人間とフェストゥムの共存を示しているのかもしれない。
※3 『THE BEYOND』第4~6話PVのこそうしの台詞