「蒼穹のファフナー THE BEYOND」1、2、3話のPVの感想 Part1

 総士生誕祭で『THE BEYOND』の1、2、3話のPVを見た後の感想になります。この記事の冒頭に総士生誕祭で一部が上映された『THE BEYOND』第1話の映像のネタバレ内容があります。

 

●『THE BEYOND』1話の一部上映

 『THE BEYOND』のPVにあるこの場面からスタート。こそうしは竜宮島のキールブロックにいた。島のコアは双子で、名を朔夜と輝夜と言った。一騎も姿を現し、こそうしに話しかけた。ここでこそうしは目が覚め、常夜灯の横に座っていた。夢の内容は覚えていない。そこにこそうしの妹とマルスが現れ、少し話をした。その後、島内に「XXXの祝福」という放送が流れ、こそうしは何かを見ようと海の彼方を目を向けるが、期待したものは見えなかった。

 

 キールブロックでこそうしの前に姿を現した一騎は「虚無の申し子がお前を探す」と言っていたことから、こそうしが奪われてから10年といった長い時間は流れていないと思われる。

 

 こちらの世界とすべてがひっくり返しになった世界に住むこそうしは「ダメ人間」と言われていたが、意図的に戦いから遠ざけて育てられた子どもで思い出すのはパルジファルである。

クンドリー:父親のように戦いで早死してはと,
      母は子のことを心配し,
      荒野の中で彼を愚か者に育てたのです。
ワーグナー『パルジファル』第1幕(※1

 しかし、親の心子知らず。パルジファルはある日、森の中で見た騎士に憧れ、母の元を去って騎士の後を追っていった。

 

●PV初見時の感想

  • 1話~3話のPVのBGMは3曲すべて新曲。
  • 3話までのおおまかなあらすじがわかる映像を見せてしまうんだ。
  • こそうしが総士がマークニヒトに残したメッセージを聞くのがPVの内容と「運命の器」というサブタイトルから第3話だと思われるので、「思ったよりもストーリー展開が遅い。12話で終わるかな」
  • 2016年の総士生誕祭で公開した『THE BEYOND』のティザーPVは結構先まで見せていたんだなあ。

 

●こそうし=フェストゥム

冲方丁「一騎と総士の関係が、上手くフェストゥムと人類の関係になっています」
「冲方丁×プロデューサー座談会」(※2

 北極ミールが人間の感情を学ぶ前のフェストゥムはこそうしと同じく、何も知らない無垢な存在だったのではないだろうか。『HEAVEN AND EARTH』の来主操のように。乙姫はフェストゥムが憎しみという感情を選んでしまうことを恐れていたが(※3)、狩谷由紀恵を乗っ取ったイドゥンが最初に知った人間の感情は「憎しみ」だった。

イドゥン「これが憎しみ、これが」
一期23話

 ということは、こそうしが最初に知ることになる人間に対する感情も「憎しみ」になるのではないだろうか。

こそうし「殺してやる」
『THE BEYOND』特報

 

●コアの名前

 竜宮島のコアの名前は一期では乙姫、『EXODUS』では織姫、『THE BEYOND』では朔夜と輝夜。コアの名前が物語の屋台骨にしている古い物語を表している。

・一期

 最初の竜宮島(たつみやじま)のコアの名前は皆城乙姫(つばき)だった。漢字を見るとわかる通し、その名前はお伽噺『浦島太郎』に由来してる。ただし、「乙姫:おとひめ(訓読み)」が「乙姫:つばき(音読み)」に、「竜宮:りゅうぐう(訓読み)」が「竜宮:たつみや(音読み)」に、と『浦島太郎』と『ファフナー』で同じ漢字は使っているももの音訓が逆になっている。もっとも、竜宮島が『浦島太郎』の竜宮と同じ状態になったのは『EXODUS』終了時である。

 

・EXODUS

 乙姫の子で二代目のコアの名前は7月7日に生まれたことから芹が織姫と名付けた。その名前は『七夕伝説』に由来しているが、『EXODUS』もフェストゥムが人の望みをかなえる物語でもあった。織姫は宇宙からやってきた新たなミール、アルタイル(彦星)を竜宮島に迎え入れて眠らせ、自らも島に還った。

 

・THE BEYOND

 『THE BEYOND』に登場する竜宮島のコアは双子。新月を意味する朔という字と輝夜(かぐや)という名前から『THE BEYOND』の冒頭2話は『竹取物語』を下敷きにした物語だと思われる。こそうしは小さい時に海神島から連れさられたが、成長した後、生まれ故郷の住人が迎えに来て、故郷に帰っていくという物語はかぐや姫と重なる。

 『THE BEYOND』のラストで竜宮島は海に沈んだ結果、竜宮島は『浦島太郎』の竜宮と同じ状態になった。幼い頃、海に沈んだ竜宮島へ連れ去られ、竜宮島の記憶(ゴルディアス結晶)とともに暮らし、14歳になって海神島に帰って来たこそうしは浦島太郎そのものである。こそうしにとっての玉手箱はおそらく総士がマークニヒトの中に残したメッセージということになるだろう。

 

●人間を模倣するフェストゥム

総士「なぜここに集まる」
織姫「あなたたちもそうしてたでしょ」
『EXODUS』23話

 『EXODUS』では竜宮島にいるフェストゥムたちが人間の行動を模倣していたが、『THE BEYOND』ではこそうしを閉じ込めた島で暮らすフェストゥムたちが竜宮島の住人たちの平和を守るという鼓動を模倣していたと言えるのではないだろうか。人間の行動を模倣することによって、フェストゥムたちは何かを学んだのだろうか。

 

●フィア対フィア

「自らの力で滅ぼしあえ」
『THE BEYOND』特報

  第2話のPVにあったフィア対フィアのカットから敵も竜宮島のファフナーを所有し、竜宮島のファフナー同士での戦いがあると思われます。『EXODUS』からロボットアニメの王道の展開をやるようになったという印象があります。敵と味方の同型対決で思い出すのは『勇者王ガオガイガー FINAL』。

 

●キャラクターの名前と配役

 総士生誕祭終了後、『THE BEYOND』の公式サイトでキャラクター名と演じる声優が公開されました。新規キャラクターの名前と声優を見るだけで、いろいろな設定が見えてきました。個人的にはこれを見ないで『THE BEYOND』の1~3話まで見たかった。

 これまでに公開されたPVには弓子や総士の妹の姿があるが、キャスト表を見ると弓子を演じたゆかながセレノア、皆城乙姫と皆城織姫を演じた仲西環がフロロとなっている。ということは、こそうしが一緒に暮らしている人は全員、パペットと同じ存在。つまり、かつて竜宮島で生きていた人間の姿をしたフェストゥムなのではないだろうか。総士は『EXODUS』でパペットについてこう表現していた。

総士「人の振りをしながら人を殺す」
『EXODUS』13話

総士「同化された者の亡霊か」
『EXODUS』23話

総士「こいつは人ではない。
   人と信じこまされた、怪物だ」
『EXODUS』25話

 

 こそうしのいる島のコアと思われる皆城朔夜を松田利冴、皆城輝夜を松田颯水を演じ、皆城乙姫と皆城織姫を演じた仲西環の役名はフロロとなっているので、こそうしの妹は竜宮島のコアではないのかもしれない。

 

 『EXODUS』26話でバーンズ率いる部隊に史彦が情報公開した結果、部下はバーンズの指揮から離れて行った。しかし、キャスト表にバーンズの部下でパペットのディランの名前があることから、『THE BEYOND』でもバーンズはアトランティスに操られたままで、竜宮島と敵対する存在なのかもしれない。

 

※1 ワーグナー/楽劇『パルジファル』(レヴァイン指揮、1985年バイロイト)のCDに添付していた渡辺護訳(1987.9.訳補訂)から引用。

※2 『蒼穹のファフナー Blue-rau BOX』のブックレットに掲載

※3 一期22話、史彦と乙姫の会話を参照。

史彦「フェストゥムに我々の悲しみを理解させることだ」
乙姫「そう、真壁紅音が世界で最初に考えついた、簡単でとても難しい方法」
史彦「まさか、君は戦闘中にそれを試みているというのか」
乙姫「そうしないと、彼らはきっと違う気持ちを選んでしまう。
   命があることで生まれた、もう一つの気持ち、憎しみを」

 


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