「蒼穹のファフナー THE BEYOND」第10~12話の初見の感想(2021年)Part1

 私が『THE BEYOND』第10~12話から受け取った言葉はドイツ語の Mitleid でした。ワーグナーの舞台祝典祭典劇『パルジファル』のテーマとも言える言葉で、オペラの文脈では「共苦」と訳されます。仏教学者、渡辺照宏の「仏教でしばしば用いられる anukampā <慈悲、哀愍>は言葉の構成からすれば συμπάθεια〔ギリシャ語〕や Mitleid〔ドイツ語〕に近い」(※1)という文章を参考にして、『ファフナー』の中に出てきた言葉に翻訳すると「慈悲」(※2)になります。

 

※1 渡辺照宏「愛・隣人愛・慈悲」(『理想』1957年7月号)より引用。

※2 『EXODUS』22話のヘスターの台詞「これは慈悲なの」。